JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第755号 > 別紙
別紙

戦略的創造研究推進事業(CREST、さきがけ)における
平成22年度の研究提案募集(第2期)の概要

1.事業の趣旨

本事業は、社会・経済の変革につながるイノベーションを誘起するシステムの一環として、戦略的重点化した分野における課題解決型基礎研究を推進し、今後の科学技術の発展や新産業の創出につながる革新的な新技術を創出することを目的としています。

2.事業の概要

国の科学技術政策や社会的・経済的ニーズを踏まえ、社会的インパクトの大きい目標(戦略目標)を国(文部科学省)が設定し、そのもとにJSTが推進すべき研究領域と研究領域の責任者である研究総括を定めます。研究総括は、戦略目標の達成へ向けて革新的技術シーズの創出を目指した課題解決型基礎研究を推進します。

本事業のうち、「CREST」と「さきがけ」では、研究総括が研究領域をバーチャル・インスティテュートとして運営します。研究領域ごとに研究提案(研究課題)を募集し、研究総括が領域アドバイザーなどの協力を得ながら選考します。研究領域のもとで、選定された研究代表者が研究チームを編成し(CREST)、または研究者が個人で(さきがけ)、研究を推進します。

図1 事業の流れ(CRESTの場合)

図1 事業の流れ(CRESTの場合)

図2 事業の流れ(さきがけの場合)

図2 事業の流れ(さきがけの場合)

3.各研究タイプの概要と特徴

(1) 「CREST」の概要と特徴

(2) 「さきがけ」の概要と特徴

4.各研究タイプの研究費や研究期間など

研究タイプ 研究費 総額 研究期間 構成人数
CREST (種別Ⅰ)
3千万円~6千万円程度/年
1.5~3億円未満 5年以内 数名~20名
程度
(種別Ⅱ)
6千万円~1億円程度/年
3~5億円程度注1)
さきがけ注2) 通常型 (3年型)
1千万円程度/年
3~4千万円程度 3年 1名
(5年型)
1千万円~2千万円程度/年
5千万円~1億円程度 5年
大挑戦型 研究開始時は、通常型の3年型、5年型と同様であるが、研究進捗によっては研究期間の延長(総期間で最長5年まで)や、研究費総額で2倍程度の増額を行う場合がある。

注1) 研究内容によっては、より大きな規模の提案も受け付けます。

注2) 「さきがけ」への研究提案は、研究期間を3年と5年の2種類から選択していただきます。大挑戦型では、提案書に選考希望の旨を明記した上で、所定の様式を提出することで、通常型のさきがけの選考に加え、大挑戦型としての選考も受けることができます。

5.研究提案を募集する研究領域と募集期間

平成22年度の第2期に研究提案を募集する研究領域と募集期間は、以下の通りです。

なお、「CREST」と「さきがけ」の両方に応募することはできません。

<CREST>

第2期募集期間:平成22年8月25日(水)~10月26日(火)正午

戦略目標 研究領域とその概要 研究総括 研究領域
発足年度
炎症の慢性化機構の解明に基づく、がん・動脈硬化性疾患・自己免疫疾患等の予防・診断・治療等の医療基盤技術の創出 炎症の慢性化機構の解明と制御に向けた基盤技術の創出
【概要】
 炎症が慢性化する機構を明らかにし、慢性炎症を早期に検出、制御、消退させ、修復する基盤技術の創出を目指します。
宮坂 昌之
(大阪大学大学院医学系研究科 教授)
平成
22年度
メニーコアをはじめとした超並列計算環境に必要となるシステム制御等のための基盤的ソフトウェア技術の創出 ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出
【概要】
 次々世代(次世代スーパーコンピュータ「京」の次の世代)あるいはそれ以降のスーパーコンピューティングに資する、システムソフトウェアやアプリケーション開発環境等の基盤技術の創出を目指します。
米澤 明憲
(東京大学大学院情報理工学系研究科 教授)
レアメタルフリー材料の実用化及び超高保磁力・超高靱性等の新規目的機能を目指した原子配列制御等のナノスケール物質構造制御技術による物質・材料の革新的機能の創出 元素戦略を基軸とする物質・材料の革新的機能の創出
【概要】
 持続可能な社会の構築のために解決すべき資源・エネルギー・環境問題に物質科学・物性科学の観点から取り組み、既存の延長線上にない物質・材料の革新的機能の創出を目指します。
玉尾 皓平
(理化学研究所基幹研究所 所長・グリーン未来物質創成研究領域長)
水生・海洋藻類等による石油代替等のバイオエネルギー創成及びエネルギー生産効率向上のためのゲノム解析技術・機能改変技術等を用いた成長速度制御や代謝経路構築等の基盤技術の創出 藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出
【概要】
 近年急速に発展したゲノミクス・プロテオミクス・メタボロミクス・細胞解析技術等を始めとする先端科学も活用し、藻類・水圏微生物のポテンシャルを活かしたバイオエネルギー創成のための革新的な基盤技術の創出を目指します。
松永 是
(東京農工大学 理事・副学長)

<さきがけ>

第2期募集期間:平成22年8月25日(水)~10月19日(火)正午

戦略目標 研究領域とその概要 研究総括 研究領域
発足年度
炎症の慢性化機構の解明に基づく、がん・動脈硬化性疾患・自己免疫疾患等の予防・診断・治療等の医療基盤技術の創出 炎症の慢性化機構の解明と制御
【概要】
 近年、炎症の慢性化とさまざまな疾患や臓器不全との関連性が示唆されていることに着目し、炎症の慢性化機構の解明を通して、関連する疾患や臓器不全の予防、治療、創薬などにつながる新たな医療基盤の創出を目指します。
高津 聖志
(富山県薬事研究所 所長)
平成
22年度
レアメタルフリー材料の実用化及び超高保磁力・超高靱性等の新規目的機能を目指した原子配列制御等のナノスケール物質構造制御技術による物質・材料の革新的機能の創出 新物質科学と元素戦略
【概要】
 資源、環境、エネルギー問題などを解決するグリーン・イノベーションに資するべく、ありふれた元素を駆使した革新的な機能物質や材料の創成と計算科学や先端計測に立脚した新しい物質・材料科学の確立を目指します。
細野 秀雄
(東京工業大学フロンティア研究センター/応用セラミックス研究所 教授)
水生・海洋藻類等による石油代替等のバイオエネルギー創成及びエネルギー生産効率向上のためのゲノム解析技術・機能改変技術等を用いた成長速度制御や代謝経路構築等の基盤技術の創出 藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出
【概要】
 CRESTと共通。
松永 是
(東京農工大学 理事・副学長)

6.研究提案の応募方法

平成22年度の応募は「府省共通研究開発管理システム(e-Rad)」により受け付けます。

府省共通研究開発管理システム(e-Rad)ポータルサイト
URL:http://www.e-rad.go.jp/

7.お問い合わせ先

独立行政法人 科学技術振興機構 イノベーション推進本部 研究領域総合運営部・研究推進部
〒102-0075 東京都千代田区三番町5 三番町ビル
募集専用Tel:03-3512-3530
募集専用E-mail: