JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第752号 > 別紙
別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)
「日本-フランス(ANR)研究交流」平成22年度新規課題 一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
フランス側
研究代表者
対話型モバイル拡張現実体験(AMIE):メンテナンスサービスへの応用 蔵田 武志 産業技術総合研究所
サービス工学企画室

室長
本研究交流は、モバイル拡張現実(AR)システムのインタラクティブ性、協調作業への適応性、さらには技術の再利用性を高め、それにより提供されるサービスの革新を目指す。 具体的には、日本側は主に人間の位置姿勢計測技術や実環境と仮想環境の3次元位置合わせ技術の開発と評価を分担し、フランス側は主にモバイルARインタラクション技術の開発と評価を分担する。 大学、研究機関、企業を含む両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、プラントなどのメンテナンスサービスにおける作業者の能力拡張、人間工学的なARシステム設計、さらにはユーザビリティ評価におけるフランス人と日本人の共通点・相違点の把握などにつながることが期待される。
Nigay Laurence
(ニガイ・ローレンス)
ジョセフフーリエ大学
データ処理研究所

教授
並列スケルトンを用いた並列プログラム開発に関する研究 松崎 公紀 高知工科大学
情報学群

准教授
本研究交流は、並列スケルトンの考え方を基礎として、正しくまた効率の良い並列プログラムの系統的開発手法およびその実行環境の実現を目指すものである。 具体的には、日本側は高い記述自由度と正しさの証明を両立する新しい並列スケルトンの定式化を分担し、フランス側は並列スケルトンの拡張を含む正しさの保証された並列コンパイラを分担し、また効率の良い並列スケルトンライブラリの実現については協働して研究開発を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、並列プログラムの開発・保守・検証を容易に行うことができる新しい並列プログラミング手法の確立につながることが期待される。
Frédéric Dabrowski
(フレデリック・ダヴロウスキー)
オルレアン大学
理学部

准教授
インジウム砒素ナノワイヤに基づく超低消費電力スピントランジスタ 陽 完治 北海道大学
量子集積エレクトロニクス研究センターおよび大学院情報科学研究科

教授
本研究交流は、半導体ナノワイヤを用いたData-Das型スピントランジスタを実現することにより、オンオフのスイッチングに必要なスロープの限界を打ち破り、回路を低消費電力で動作させるための基礎を築くことを目指す。 具体的には、日本側はスピントランジスタ中の電子のスピン状態の制御の検討、高スピン偏極率を有する強磁性体の検討とそのインジウムヒ素上の結晶成長、プロセス開発、スピン輸送特性の評価、スピントランジスタの実証を分担し、フランス側はスピン制御を可能にするための高品質なインジウムヒ素ナノワイヤの結晶成長、特にウルツ型と閃亜鉛鉱型が混在しやすい成長機構を制御性よく1つの結晶型にすることを分担する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、インジウムヒ素ナノワイヤの基づくスピントランジスタ実現につながることが期待される。
Jean-Christophe Harmand(ジャン-クリストフ・アルマン) フランス国立科学研究センター
光通信・ナノ構造研究所

主任研究員