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別紙

「子ども科学技術白書」2010年度版の概要

1.目的:子どもたちの科学技術に対する興味・関心を高める

「子ども科学技術白書」は、子どもたちの科学技術に対する興味・関心を高めることを目的とした冊子です。科学や技術の分野からその年にふさわしいテーマを取り上げ、キャラクターや写真・イラスト、漫画などを用いて子どもたちに親しみやすい工夫を施しているのが特徴です。1999年度から2007年度までは文部科学省が制作・配布し、2008年度からはJSTが制作、全国の学校に配布し、子どもたちが読む理科の副読本として活用されています。

2.内容:今日的な課題とつながるテーマで

2010年度は、政府の「新成長戦略(基本方針)」(平成21年12月30日閣議決定)に基づき、地球温暖化対策のための低炭素型社会の実現を目指すグリーン・イノベーションの推進がなされていること、また、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催(平成22年10月11日~29日)されることも考慮し、植物の光合成を中心とした生き物の働きと地球環境や私たちとのつながりをテーマとしています。

タイトルは『地球を知る冒険 葉っぱはどうして緑色なの?』(B5版、カラー、104頁)。

対象となる読者層は小・中学生ですが、大人も興味を引かれる内容となっています。

「葉っぱの色」に疑問を持った少年と少女が、その謎を探究していくなかで、多様な生命が誕生し生存する地球環境と植物との深いかかわりに気づいていくというストーリーによって、健全な自然環境の存在が、私たちが生きるために不可欠であることを科学的に理解できるようになっています。

具体的には、

3.制作の考え方

制作にあたっては、科学者や教育者らの監修・指導に従って、以下のような考え方で編集されています。

  1. (1)子どもたちの「素朴な疑問」をスタートに子どもの視点で、疑問を解きながら進んでいく展開とする。
  2. (2) 科学に貢献した人物の物語を漫画で描き、科学的な発見の大変さと、それを実現した人物の魅力を伝える。
  3. (3) “本物”の自然写真や実験の写真など科学的な事実を伝えるビジュアルを大切にする。
  4. (4) 第一線の研究者を紹介し、現在進行形の科学技術研究の新しさ、面白さを伝える。
  5. (5) 「持続可能な開発のための教育(ESD)」に役立つことや、これから社会に出て行く子どもたちが将来像を描けること、大人になって必要となる科学的素養(科学リテラシー)を身につけられることを目指す。
  6. (6)専門家の監修と出典を明記する。

4.配布対象:小・中学校、図書館に無料配布

本年度は60,000部を発行。市区町村の教育委員会および都道府県の私学担当部署などの協力を得て、小・中学校に1部ずつ無料で配布します。また海外の日本人学校に3部、公立図書館や科学館・博物館に1部を無料で送付します。

追加部数を希望する小・中学校に対しては、1校3部まで無料で追加送付します。在庫の範囲内で、およそ5,000校分の追加送付に応える予定です。教師や父母らが個人で入手を希望する場合には、実費負担として1冊500円(送料込)で送付します。追加送付はJST理数学習支援部サイエンスウィンドウ担当で受け付けます。このほか日本科学未来館のショップなどでも1冊500円(税込)で購入できます。

なお、本書は下記ウェブサイトからも閲覧が可能です。また、送付の申し込み用紙も掲載しています。

URL:http://sciencewindow.jp