課題名 | 「減圧沸騰噴霧による気化供給装置」 |
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所有者 | 千田 二郎、株式会社 堀場製作所、株式会社 堀場エステック |
研究者 | 同志社大学 理工学部 千田 二郎 教授 |
委託企業 | 株式会社 堀場製作所 |
開発費 | 約2億6000万円 |
開発期間 | 平成18年10月~平成21年10月 |
評価 | 本新技術は、次世代DRAMのNb2O5キャパシタ膜を量産規模で成膜できる気化供給装置である。DRAMのキャパシタは、誘電率が高いNb2O5膜などへ移行することが予測される。従来の加熱気化方式のCVD装置で蒸気圧が低いNb2O5の成膜を行うには、加熱温度を上げて気化量を増加させる必要があるが、原料の熱分解による気化量の減少や気化した原料が結合・凝縮して配管詰まりを起こすなどの問題があり、Nb2O5の安定成膜は困難であった。 本新技術は、「二相領域」の概念を取り入れて原料と有機溶剤を混合することで蒸気圧を大幅に上げて成膜室内で直接、原料溶液を気化・噴霧させる「減圧沸騰噴霧気化」方式である。 本開発では、CVD装置用の噴射弁を試作、その噴霧形状の観察からシール部品の形状・材質、スリット形状などを最適化して気化効率を上昇させた。加えて、駆動方式や駆動部品の形状などを検討し、量産化に必要な耐久性を確保した。また、成膜室に整流板や複数の噴射弁を配置することで十分な気化量と均一化ガス濃度分布を得て、膜厚分布を均一化した。その結果、スループット2min/枚以下、膜厚分布±2.5%以内を達成し、12インチNb2O5膜を均一かつ安定的に成膜することが可能となった。 本新技術は、次世代DRAMキャパシタ用材料Nb2O5膜を成膜するためのCVD装置に適用される。さらに、将来の電子デバイスのゲート絶縁膜用La2O3膜、電極用TaN膜などの成膜装置への展開が期待される。 |
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成21年12月21日 |