研究交流課題 | 日本側 研究代表者 |
所属・役職 | 研究交流課題概要 | |
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フィンランド側 研究代表者 |
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1 | 有機太陽電池を指向した先端光機能性材料 | 今堀 博 | 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 教授 |
本研究交流は、高効率な有機太陽電池を開発することを目的とする。 具体的には、日本側は材料合成と太陽電池の膜構造評価・光電池特性評価を担当し、フィンランド側は太陽電池薄膜の光電子物性評価・高速光物性評価を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、高いエネルギー変換効率の太陽電池の実現が期待される。 |
ヘルゲ・レメティネン | タンペレ工科大学 化学・生物工学専攻 教授 |
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2 | 新規炭素系ナノ物質による高性能リチウム電池負極 | 神谷 秀博 | 東京農工大学 共生科学技術研究院 教授 |
本研究交流は、極微小カーボンナノチューブやカーボンナノバッドなどの新規炭素系ナノ物質を用いた高性能で高信頼性リチウム電池負極の開発を目的とする。 具体的には、日本側は新規物質の液中での分子・ナノレベルの界面設計と電池材料の製作プロセスの検討、材料評価を担当し、フィンランド側は新規ナノカーボン物質の負極材料への新規手法による適用法の開発とその構造制御を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、高性能を有し、信頼性の高い電池の製造と構造設計法が確立され、自動車などに応用可能な高出力高容量電池の実現が期待される。 |
エスコ・カウピネン | ヘルシンキ工科大学 応用物理学科 教授 |
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3 | 超高速パルスの空間・時間・周波数制御のための金属―誘電体ハイブリッド材料 | 小林 孝嘉 | 電気通信大学 特任教授 |
本研究交流は、安価な作製方法を用いることによる従来の複合制限を超えた新規金属-誘電体材料開発、それらの線形・非線形光学特性、および超高速緩和過程の解明を目的とする。 具体的には、日本側は超高速緩和および3次非線型光学効果を担当し、フィンランド側は試料作製・光学特性評価、そして2次非線型性測定を担当する。超広帯域白色光とパルス伝搬実験は双方で分担する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、超短パルス光の空間・時間・スペクトル制御を可能とする金属-誘電体ハイブリッド材料の創生、およびナノ粒子のプラズモンに基づく強力な非線型光学材料が生み出されることが期待される。 |
マルティ・カウラネン | タンペレ工科大学 物理学科 教授 |
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4 | 非中心対称性結晶における超高速光電変換プロセス | 志村 努 | 東京大学 生産技術研究所 教授 |
本研究交流は、シレナイトや化合物半導体などの中心対称性を持たない結晶で、フェムト秒光パルスによる光ガルバノ効果を観測し、現象の物理的起源を探求することを目的とする。 具体的には、日本側は窒化ガリウム単結晶と窒化アルミニウム単結晶、フィンランド側はシレナイト結晶とカドミウムテルル単結晶における連続発振光およびパルス光照射下での線形な光ガルバノ効果計測を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、可視光領域での小型で簡易な超高速光検出器が実現され、超高速光現象に関する研究や応用の基礎ツールとなることが期待される。 |
アレクシ・カムシリン | 東フィンランド大学 物理学科 教授 |
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5 | プラズモン増強有機ハイブリッド太陽電池 | 瀬川 浩司 | 東京大学 先端科学技術研究センター 教授 |
本研究交流は、色素増感太陽電池をベースとして、新しい素材を用いることにより、効率が向上したハイブリッド太陽電池を開発することを目的とする。 具体的には、コアシェル型ナノ粒子を用いた色素増感太陽電池の作成に向けて、日本側は色素の合成とその性能評価を担当し、フィンランド側はコアシェル型ナノ粒子の合成とその同定を担当する。これらを合わせた太陽電池の評価は双方で分担する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、表面の性質と光学的性質の両方を制御できることが期待される。また、色素増感されたナノ粒子は、太陽電池だけでなくバイオセンシングなど他への応用も期待される。 |
ロナルド・エステルバッカ | オーボアカデミー大学 物理学科 教授 |