研究交流課題 | 日本側 研究代表者 |
所属・役職 | 研究交流課題概要 | |
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フランス側 研究代表者 |
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1 | 海洋性細菌の走磁性を支えるべん毛構造と磁気刺激反応の解明 | 難波 啓一 | 大阪大学 大学院生命機能研究科 教授 |
本研究交流は、微弱な磁場を感じて走性行動を制御する磁性細菌特有のべん毛超分子の立体構造と動作機構を解明することを目指す。 具体的には、フランス側は構造解析に必要な試料を調整し、日本側がさまざまな解析を行い、それに基づいてフランス側が磁気に対する反応計測をさらに工夫することにより、動作メカニズムの解明を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、地球環境変動の観測データの示す意味を正確に把握するためにも重要なパラメータが得られる。また、ナノテクノロジーへの応用展開も期待される。 |
ウー・ロンフェイ | CNRS 研究ディレクター |
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2 | シンカイヒバリガイ(Bathymodiolua azoricus)のゲノム科学的解析:化学合成細菌共生と極限環境応答のメカニズムの解明 | 佐藤 矩行 | 沖縄科学技術研究基盤整備機構 研究員 |
本研究交流は、硫黄酸化細菌とメタン酸化細菌の両者を共生させ化学合成により栄養を得ているシンカイヒバリガイのトランスクリプトーム解析およびゲノム解読を通して、深海という極限環境への応答の分子メカニズムと代謝合成経路を明らかにすることを目的とする。 具体的には、3種のシンカイヒバリガイを使って自然状態における共生関係の開始と維持の分子メカニズムを明らかにするとともに、メタン化合物、硫化物、温度、重金属、低酸素などのさまざまな環境ストレスに対するシンカイヒバリガイの応答の分子メカニズムとその代謝合成経路を明らかにする。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、自然状態における共生関係の開始と維持の分子メカニズムと、さまざまな環境ストレスへの応答の分子メカニズムを代謝合成経路とともに明らかにする。 |
フランシス・ラリエ | CNRS/UPMC ロスコフ生物学研究所 教授 |
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3 | 植物の進化戦略の包括的理解:水中から陸上環境への光合成の適応 | 鹿内 利治 | 京都大学 大学院理学研究科 教授 |
本研究交流は、植物が光合成を水中から陸上環境に適応させた進化の戦略を解き明かすことを目的とする。 具体的には、PGR5とflavodiironたんぱく質(顕花植物においてはそれと同等の機能を果たす未知たんぱく質)に焦点を絞り、4つのモデル植物においてその機能を解明する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、光合成調節の鍵因子の機能と重要性を植物がどのように進化させてきたのかを解き明かす。 |
ジル・ペルティエル | CEA/CNRS 研究ディレクター |
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4 | 酵母の栄養条件の変化への適応と細胞内輸送を統合する超分子ナノマシンの構造と時空間ダイナミクス | 濡木 理 | 東京大学医科学研究所 教授 |
本研究交流は、酵母において、遺伝暗号翻訳の基本因子の細胞内輸送と栄養飢餓応答を統合する超分子ナノマシンの構造、動的側面、機能制御を解明する。 具体的には、日本側は、X線結晶構造解析を行い、Arc1p・cMRS・cERSナノマシンの動態の構造基盤を解明するとともに、フランス側の機能解析にフィードバックする。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、ナノマシンがどのように会合し機能を発揮するか、またこの複合体あるいは構成因子が、酵母ミトコンドリアの生理的条件への応答を制御し、核とミトコンドリアのクロストークにどのように働いているのかを明らかにする。 |
ヒューベルト・ドミニク・ベッカー | ストラスブール大学/CNRS 教授 |
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5 | フェロモン交信の適応的変化ならびにその分子細胞基盤 | 山元 大輔 | 東北大学 大学院生命科学研究科 教授 |
本研究交流は、ショウジョウバエにおいてフェロモンに関わる信号の送り手と受け手とが協調してその生理的性質や行動を変化させ、ついには種分化に至る遺伝的な機構を解明しようとするものである。 具体的には、この相互作用の分子基盤を解明し、遺伝子改変による環境適応性の制御を検討する事を目的とする。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、地球温暖化による生命の危機を回避する機構の解明が期待される。 |
ジャン・フランソワ・フェルヴァー | CNRS/ブルゴーニュ大学 ディレクター |