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選考のプロセスと今後の提案に対する期待

社会技術研究開発センター

今年度は26件(前年度比:159%)の応募があり、福祉、環境、安全・安心、防災の複数の分野から、「発達障害の子どもと家族への早期支援システムの社会実装」、「英虞湾の環境再生へ向けた住民参加型の干潟再生体制の構築」、「高齢者転倒事故防止のための移動能力評価システムの社会実装」、「震災後の建物被害調査と再建支援を統合したシステムの自治体への実装」、「家庭内児童虐待防止に向けたヒューマンサービスの社会実装」の5件が採択された。いずれも社会実装としての受益者の視点と研究開発成果が明確なものであった。また、今年度は社会科学的な研究開発成果の社会実装、女性が実装責任者となる活動が初めて採択され、本プログラムも新しい段階に移行しつつある。

本プログラムも3回目の募集・選考を迎え、プログラムの趣旨に合致する提案の比率が徐々に高まってきた。また、提案の扱う社会問題と技術分野が多岐にわたり、選考は困難を極めたが、単に社会のニーズと研究開発成果(シーズ)をマッチングさせることに留まらず、誰が、どの様なメリットを受けるのか、に主眼をおいた選考が行われた。刻々と変化し、多岐にわたる現実の社会問題を全てカバーすることはできないが、研究開発成果をタイムリーに社会実装につなげることが、本プログラムの今後の課題であることが再認識された。

今後は、本プログラムが研究者に加えて受益者となる一般の市民の方々にも認知が高まるよう働きかけるとともに、採択された実装活動がより効率的に社会に実装されるよう、実装責任者との連携を深めていきたい。

※ 研究開発成果実装支援プログラムの詳細(募集要項など)については、以下のホームページをご覧ください。

JST 社会技術研究開発センター ホームページ
(「研究開発成果実装支援プログラム」提案募集情報)
URL:https://www.jst.go.jp/ristex/

研究開発成果実装支援プログラム ホームページ
URL:https://www.jst.go.jp/ristex/implementation/index.html