開発を終了した課題の評価
課題名 | 「屈折率分布型レンズ製造技術」 | ||||
所有者 | 古田 武 鳥取大学 教授、日本ライトン株式会社 | ||||
研究者 | 古田 武 鳥取大学 教授 | ||||
委託企業 | 日本ライトン株式会社 | ||||
開発費 | 約1億3000万円 | ||||
開発期間 | 平成18年3月~平成21年3月 | ||||
評価 |
本新技術は、芯ファイバーを高分子溶液から引き上げることにより積層賦型し、同心円状の屈折率分布を持つ屈折率分布型レンズを製造する技術に関するものである。レンズ素子は直径300~600µm程度の円筒形状で、正立等倍実像を結像する。素子を配列したレンズアレイは、ファックスなどの読み取りレンズとして使用されているが、屈折率分布型レンズの製造には高度な制御技術が要求され、実用化はきわめて難しいとされている。本開発では、屈折率の異なる高分子溶液を連続的に賦型させることにより屈折率分布を形成する新規製造技術の確立を試みた。 屈折率分布型レンズは、無色透明でかつ分布が一様でなくてはならない。一方、従来から透明性の高い樹脂原料として広く使われているメタクリル酸系のモノマー原料は作業環境の影響を受けやすく、多層に賦型すると分布のばらつきが大きくなるという欠点があった。本開発では、多層賦型技術専用の側鎖を導入したモノマー原料を開発することにより、白黒ファックスに必要な解像度が達成された。 屈折率分布制御は、国の新産業創造戦略に基づいて策定された技術戦略マップにおいても重要テーマとされており、将来を担う技術の1つと考えられている。本開発ではまったく新しいアプローチから製造技術を確立しており、大きな成果だと評価できる。今回の開発成果を応用して解像度を向上し、カラー用にも適用可能なレンズアレイまで技術を発展させることが期待される。 | ||||
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成21年4月14日 |