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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成14年度実施課題 事後評価報告書



平成16年4月
研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 51 3次元ボリューム画像処理ソフトウェアの開発(H14-0246)

企業名 :株式会社 デジタル・カルチャー・テクノロジー
研究者(研究機関名) :土井 章男(岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 本ソフトウェアは、MRIやCTなどから得られるボリュームデータを、特別な専門知識を必要とせずに、病巣・内臓・骨格などを3次元画像として自動抽出可能なソフトウェアである。従来の同種のソフトウェアでは、専門的な知識や高価なハードウェアが必要であった。本ソフトウェアでは、これまで専門的な知識が必要とされていた画像の抽出を、ダイアログを用いて対話的に必要な条件を与えることで行うことができる。また、想定される主な用途である医療現場における診療支援では、ボリュームデータから医師の手元のPCで即座に病巣などを3次元画像としてあらゆる角度から視覚的に観察でき、診療のみならずインフォームドコンセントへの貢献も期待できる。本ソフトウェアの主な特徴としては、市販されているPCのスペックで十分動作可能(高速レンダリング) 利用に専門的な知識を必要としない 鮮明で誤差の少ない3次元抽出画像の出力 などが挙げられる。主な機能としては、定数Cによる等値面生成 ズーム・回転・移動 切断面表示 ボリューム表示 クリッピング表示 各種形式へのデータエクスポート などである。将来的には本ソフトウェアで培われた基本技術を用いて、部品などの非破壊検査分野 化石分析などの考古学分野 医用画像の教育用現場 カルテのスケッチ作成支援 外科手術分野(髄内釘挿入のブリーフィングなど)への適用が考えられる。

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 当初の目標は達成され、商品のプロトタイプ、または初期商品の段階まで来ていると評価できる。
知的財産権等の発生
 現在まで発生なし。今後の取得の可能性あり。
企業化開発の可能性
 医療現場からの要求に対して、どこまで対応するかによって、実用化時期は変わると考えられるが、基本的に実用化は期待できると思われる。精度や処理速度に関しても、今後の研究開発で対応できると思われる。
新産業、新事業創出の期待度
 医療用以外での応用範囲も広く、新事業創出の期待は十分にあり、画像診断分野の発展という観点から社会的意義も十分期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 総合的に計画通り目標を達成しており、商品のプロトタイプ、または初期商品の段階まで来ていると評価できるが、医療現場からの要求に対して、どこまで対応できるかによって、実用化時期は変わると考えられる。実用上更に優れた機能を有する画像処理ソフトウェアの早期上市が期待される。


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This page updated on May 19, 2004

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