報告書 > 評価結果(2)研究開発課題の個別評価

研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成14年度実施課題 事後評価報告書



平成16年4月
研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 36 新波長変換素子CBOを用いた高効率・高出力紫外固体レーザ光源の開発(H14-0155)

企業名 :ネオアーク株式会社
研究者(研究機関名) :佐々木 孝友(大阪大学大学院 工学研究科電気工学専攻 教授)

1 ) モデル化の概要および成果
 本紫外固体レーザー光源は、大阪大学で発明されたCBO結晶波長変換素子を用いることにより、30%以上の高効率で波長変換(従来品のLBO※※結晶の1.5倍以上)でき、数ワットの高出力の実現を目指した国産の紫外光源である。これまで高出力用として波長変換素子にはLBO結晶がよく用いられてきているが、LBO結晶は国産品でないため、品質保証や安定供給という点でユーザ側としては不安材料が多く、紫外固体レーザー装置の用途としては、研究開発用がほとんどである。
 これを解決し製造ラインへの導入を可能とするために本開発では、 高品質CBO結晶の育成および品質評価  結晶の劣化防止を考慮した波長変換部試作  紫外レーザー光特性の評価を実施することにより、当初の目的をほぼ達成でき、変換効率30%で出力2W以上を得ることができた。実用化に対しては、まだ結晶の寿命試験や波長変換部の小型化等が残っているが、これらの解決に向けた開発を今後進めて行く。この紫外レーザー光源が開発、実用化されると、高品質で、安定供給される国産結晶の使用が可能となるため、メンテナンスフリーで低価格の紫外固体レーザー光源を用いた微細加工装置等の製造ラインへの導入が期待出来る。 
※CBO : セシウムトリボレート(CsB3O5)、※※LBO : リチウムトリボレート(LiB3O5)

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 内部散乱欠陥を解消したCBO結晶波長変換素子を製作し、出力3W、変換効率30%を確認した。 研究開発は順調に進められ、モデル化目標の確認はされたが、微細加工装置等の紫外固体レーザー光源として仕上げるにはまだ時間が必要ではないか。
知的財産権等の発生
 内部散乱欠陥解消法の出願を予定している。
企業化開発の可能性
 企業化の可能性実現が視野に入った。今後必要な要(カナメ)部材として我が国の独自商品材になる可能性がある。
新産業、新事業創出の期待度
 量産商品でないが、貴重な商品(高付加価値商品)となる可能性があり、新事業の創出が期待できる。
3 ) 評価のまとめ
 自由な波長変換を可能とするプロセス用レーザー光源の実現に有効である。また、その他にも重要部品材となる可能性がある。


一覧に戻る 次へ

目次に戻る


This page updated on May 19, 2004

Copyright©2004 Japan Science and Technology Agency.