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別紙1

「理数系教員(コア・サイエンス・ティーチャー)養成拠点構築事業」平成21年度採択企画 一覧

【通常取組】
主たる実施機関 企画名 企画の概要
お茶の水女子大学
東京都教育委員会
「理学する心」を持つ小・中学校教員の指導者養成 理科が好きで得意な小学校教員と理学部出身の大学院生を、指導力と教材開発力に優れた小・中学校教員に育てるために、コア・サイエンス・ティーチャー(CST)副専攻を立ち上げる。CST副専攻で受講者は、小・中学校の接続を意識した理科と先端研究をつなぐ「CST理科教育法」、地域の教育資源を教材化するための「教材開発法」、夏休みの「自由研究指導法」、そして「教員研修実践論」を学ぶ。大学院生はさらに「教職インターンシップ」で教育現場を体験学習する。これら科目全てに合格した受講者は、CSTと認定される。CSTは各市区に設置する理数教育支援拠点とCST専属理科支援員を活用し、地域の理数教育を振興する。
鹿児島大学
鹿児島県教育委員会
実践的コア・サイエンス・ティーチャー養成スクールと活動拠点構築プロジェクト 小中学校の理数教育において、「科学する楽しみ」を生徒に伝えることができる理数教員を養成することを目的に、理工系3研究科と教育学研究科の一種教員免許状資格を有する大学院生および小中学校現職教員を対象に、全学的な実践的CST養成スクールを構築する。養成スクールでは、小中学校で取り上げられる題材をベースに、その背景となる理数分野の幅の広い専門知識と実験・実習を一体化した授業、教育実習、小中学校の教員としての素養向上のための授業を提供する。
岐阜大学
岐阜県教育委員会
教育委員会と大学理工系学部群が連携した自律的成長プログラムによるCSTの養成 岐阜大学と岐阜県教育委員会が連携し、CST養成拠点を構築し、小中学校の理科教育において中核的に活動できる人材(CST)を持続的に養成する。CSTは、学部生を対象とした「初級コースプログラム」に加え、学校での理科教育実践を積んだ若手理科教員対象の「中級コースプログラム」、さらに、即戦力として地域で理科教育の指導を行うことができる「上級コースプログラム」を設置し、優れた授業実践を踏まえた実践論文作成指導を繰り返すことで、教員が自律的に成長するしくみを組み込んだプログラムを実現する。
滋賀大学
滋賀県教育委員会
大学と教委との強固な連携による早期CST活動を組み込んだ包括的な養成プログラム CSTに要求される能力として、基礎学力観察・実験能力授業実践力専門・先端科学理解力他教員への支援力の5つを挙げた。学部必修授業を基本とし、学習領域の補充強化と最先端研究に関する専門的知識と理解力の修得を重視し、実験観察技能習得と教育体験を有機的に結びつけ、大学と附属学校教員、教育委員会が連携した養成プログラムを提案する。実践的理科指導力を持った現職教員においては、を集中研修によって修得することで早期にCSTに認定する。現職CSTは養成学生を理科支援生として指導し、質の高い理科実践を教示する。CSTが勤務する小・中学校を理数教育支援拠点とし、地域における研修会開催などの活動に対する支援を行う。
福井大学
福井県教育委員会
地域・学校拠点を活用する自己啓発型CST養成・支援システムの構築 福井大工学部卒を中心に理工系学部卒の小(中)教員を養成する大学院教育学研究科3年コースおよび小中(高)教員一括養成を理念とする福井大教育地域科学部の特徴を活かしたCST養成拠点を構築し、児童生徒・教員指導力および理科に関する専門力を強化することにより、地域の核となる優れた理科教員(CST)を多数輩出する。CST養成拠点では、科学館と拠点小中学校を活用した現場研修および県教育研究所と連携した教員研修のための研修を通じて指導力を強化し、大学と県の進める先端科学講義や講演会などを通じて専門力を高める。CST資格は3階級制とし、教員自身の自発的向上意識の手助けともする。さらにCST養成拠点を支援拠点に接続し、継続的なCST活動を支援する。


【試行的取組】
主たる実施機関 企画名 企画の概要
信州大学
長野県教育委員会
理科の伝道師としての専門性と実践力を支援する教員養成プログラム 物理・化学・生物・地学に関わる基礎的・基本的知識・技能の習得を目指し、1年次で補完教育の充実を図り、高年次では枠外科目として、個別指導による学生各自の実態に即し必要な領域や内容の講座を受講させることで教育内容にかかわる質の保証を確保する。また、本学が取り組んできた教員養成GP「臨床の知」の成果を踏まえ、小中学校との連携による教育臨床演習を体験することで、教育方法や子ども理解にかかわる教員としての資質を、経験を通して育成する。プログラム全体を通して、教育委員会などとの連携により適宜内容や成果をチェックし、質の保証を確保する。
東邦大学
千葉県教育委員会
地域の拠点校構築によるコア・サイエンス・ティーチャー養成システムの検討 東邦大学・千葉県教育委員会・千葉県総合教育センターの3者の連携により、最新の科学を習得し実践力を兼ね備えたCSTを養成する。プログラムでは、CST候補者が、東邦大学と千葉県総合教育センターでの研修受講、ゼミ、拠点校での実習、研修会の企画運営を行うことにより、知識技能、授業実践力、コミュニケーション力、マネジメント力を身に付ける。本企画では、拠点校でCSTの資質能力を既に有すると見なされるベテラン理科教員が実習を指導し研修会を実施するため、拠点校の整備と活用方法及びCSTの活動のあり方についても検討する。
新潟大学
新潟市教育委員会
新潟理科指導力錬成拠点(試行)~ICT活用アクティブラーニング理科ネットワーク~ 最新のICT活用をベースにしたアクティブ・ラーニング(学び)などによる「理科指導力増進プログラム」を開発し、指導力錬成拠点を構築し、理科指導力に優れた小中学校理系(理工農・教育)教員(CST)養成を試行する。新潟大学、附属学校、新潟市教育委員会、市や県の教育センター、科学館などと連携して、CST養成プログラムを開発し、CST事業企画推進体制を構築(新潟大学にコアセンターを設置)する。CST事業、教員研修事業、理科支援員事業、理系ボランティア事業などを有機的に再構成して効果的に活用して試行的に取り組む。拠点と新潟の小中学校・大学とを緊密に結ぶ「アクティブ学び新潟理科ネット」を試行し、企画・開発・実施・評価・普及の緊密化を図る。CST試行の受講者は小中学校の理科教育支援・指導力向上を目指す。
兵庫教育大学
兵庫県教育委員会
CST養成スタンダーズの構築と養成プログラムの試行 理科教員(CST)に求められる自然科学の知識と指導技能の範疇と水準を明らかにして、CST養成スタンダーズを構築するとともに、大学院修士課程において、教育委員会から派遣された現職教員と理系学部から進学した大学院生などを対象に、CST養成プログラムを試行する。CST養成スタンダーズに基づくポートフォリオなどにより、受講生は自ら学習の過程と成果を記録・評価しながら学習を進める。本プログラムを修了したCSTは、学校現場などにおいて身に付けた自然科学の素養と技能を生かした理科の教育力向上に努める。
宮城教育大学
宮城県教育委員会
理科の基盤・展開・実践の力量を備えた教員の養成拠点 -試行 理科教育改善の根源とも言える理科教員の指導力を向上するため、教員養成の段階で理科学習指導者としての資質と力量を高めることを目的とする。そのために、理科の教科内容を普遍的に広く理解して確実に教授できる基盤力、理科の教科内容を本質的に深く理解して教示できる展開力、実際の教育現場に臨機応変に対応できる実践力、の3つを柱とするCST養成プログラムを、支援期間を超えて3年間にわたって教育大学・理学部・教育委員会が連携しながら実施する。また、プログラム修了の理科教員が学校現場において優れた実践活動を継続しながら地域の理科教育に波及することを通じて、全体的な理科学力水準の向上を目指す。
山口大学
山口県教育委員会
「ちゃぶ台方式」によるコア・サイエンスティーチャー養成プログラムの開発と実施体制の構築 本学で実施している小学校における理科教育の活性化を目的とした「ちゃぶ台型ネットによる理科教育支援計画」を拡張し、「ちゃぶ台方式」によるCSTの養成プログラムの開発および実施体制の構築を行う。学生・現職教員・大学教員・教育関係機関職員の協働実施の研修会などによって、学生および現職教員(本学委嘱の理科教育支援地域コーディネータ)の理科授業の実践力、開発力、授業分析・評価力および指導力を相乗効果的に向上させるためのプログラムを検討するとともに有効な実施体制を構築する。
山梨大学
山梨県教育委員会
豊かな自然環境を生かしたCST養成プログラムの開発と試行 山梨県教育委員会、科学館と理数教員を養成している山梨大学が緊密な連携により、学生及び現職教員に対するCST養成のためのプログラムを開発する。特に、山梨県の豊かな自然を生かした体験的学習から、科学的基礎概念、科学リテラシーなどを身につけるプログラムを構築するために調査研究を行う。県教委、大学、科学館、それぞれがこれまでに培ってきた理数教育のノウハウ・データ・施設・人材などを出し合い、一体となり、次世代の理数系人材を生み出すためのCST養成に向けてプログラム開発し、それを試行するものである。