本新技術の背景、内容、効果は次のとおりです。

(背景) 半導体の高密度化に対応した新たなフリップチップ接続工法が求められています。

 半導体パッケージ製造工程において従来から使用されてきたワイヤーボンダ工法は、高密度化の限界を迎え、耐久性、信頼性に優れたフリップチップ(Flip Chip)接続工法の使用が一般的になってきました。しかし半導体の更なる高密度化により隣接電極間ピッチが100μm以下と狭くなり、電極上へのはんだ突起電極(バンプ)形成は困難を極めています。また使用するはんだ材料も地球環境の観点から鉛フリーはんだの対応に迫られています。更にフリップチップ接続における半導体チップとインターポーザ(基板)のギャップ間は、将来的に50μm以下になると予測されており、ギャップ間のフラックス残渣の洗浄が不可能であるために半導体の信頼性においても問題があり、新たなフリップチップ接続工法が望まれています。

(内容) 高密度半導体鉛フリー・フラックスフリーはんだ接合システムを実現しました。

 本新技術は、高密度半導体において鉛フリーはんだを使用してフリップチップ接続が可能であり、また接続後のギャップ間洗浄をする必要がない地球環境に配慮した技術です。本技術では微粒子はんだを溶融堆積させる新工法を開発することにより、隣接電極間が80μmピッチ以下の電極上に、±3μm以内の位置決め精度で鉛フリーはんだを使用したバンプ形成を実現しました。また、プラズマ処理を使用することにより鉛フリーはんだバンプ表面の改質処理を行ない、フリップチップ接合において"信頼性に優れた鉛フリー・フラックスフリーはんだ接合"を実現しました。

(効果) 鉛規制や有機溶剤規制に対応した地球環境に配慮したはんだ接合システムであり、携帯用電子機器を中心に高密度半導体を使用する様々分野での利用が期待されます。

 本新技術は、将来的に主流となるフリップチップ接合における、鉛規制、および有機溶剤規制に対応した地球環境に配慮されたはんだ接合システムですので、特に携帯用電子機器などを中心に、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオ、DVDレコーダ、大型液晶TV、デジタル家電製品等の高密度半導体として様々な分野での応用も期待されます。

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This page updated on May 17, 2004

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