パネルオフィサーの略歴など
山本 嘉則(やまもと よしのり)氏
【現職】東北大学原子分子材料科学高等研究機構 機構長
【学職歴】
1970年 大阪大学大学院 基礎工学研究科博士課程 修了 工学博士
1970年 大阪大学 基礎工学部 助手
1970年 米国パデュー大学 博士研究員
1977年 京都大学 理学部 助教授
1986年 東北大学 理学部 教授
1995年 東北大学大学院理学研究科 教授 現在にいたる
2006年 東北大学 副学長
2007年 東北大学原子分子材料科学高等研究機構 機構長 現在にいたる
【受賞歴】
1996年 日本化学会賞
2002年 フンボルト研究賞
2006年 紫綬褒章
2006年 A. N. Kost教授記念メダル
2007年 A. C. Cope Scholar Award
【研究キーワード】
有機合成化学、有機金属化学、天然物全合成、ルイス酸触媒、遷移金属分子触媒
【学会活動】
・ヘテロ環化学国際学会 会長(1999-2001)
・日本化学会 副会長(2006-2007)
ほか、有機合成化学協会、アメリカ化学会 などに所属
【研究主監会議の意見】
山本 嘉則氏はこれまでに、有機化学分野における新規反応開拓と有用物質合成に関する研究開発に従事してきた。例えば、ルイス酸触媒やパラジウム触媒を用いた数々の環境調和型・高効率分子変換反応を独自に開発し、その反応をキーステップとしてガンビエロール、ブレベトキシンBなどのポリ環状エーテル海産天然物の全合成を達成した。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は、ヘテロ環化学国際学会会長や日本化学会副会長などを歴任し、これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると見られる。そのため、山本 嘉則氏はパネルオフィサーに相応しいと判断する。
谷口 克(たにぐち まさる)氏
【現職】独立行政法人 理化学研究所横浜研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター センター長
【学職歴】
1967年 千葉大学医学部卒業
1976年 The Walter and Eliza Hall Institute of Medical Research博士研究員
1980年 千葉大学医学部教授
1996年 千葉大学医学部長
2001年 理化学研究所免疫アレルギーセンター センター長 現在にいたる
【受賞歴】
1977年 Erwin Von Balz賞
1993年 野口英世記念医学賞
2004年 上原賞
2004年 紫綬褒章
【研究キーワード】
免疫学、ナチュラルキラーT細胞
【学会活動】
日本免疫学会
【研究主監会議の意見】
谷口 克氏はこれまでに、免疫学、特に細胞性免疫に研究分野において研究を推進した。特に、新しいタイプのリンパ球であるナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)の発見により、免疫系の調節や末梢性免疫制御に新たな道を切り開くなど、本研究分野における深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。最近は免疫学を臨床に応用するための基礎研究に力を入れている。同氏は、日本免疫学会長などを歴任し、現在は、理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターのセンター長を務めている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると見られる。
土井 正男(どい まさお)氏
【現職】東京大学大学院 工学系研究科 教授
【学職歴】
1974年 東京大学 工学系研究科 博士課程 中退
1974年 東京都立大学 理学部 助手
1976年 英国インペリアル大学、ケンブリッジ大学博士研究員
1978年 東京都立大学 理学部 助教授
1984年 日本学術振興会 海外派遣研究員
1989年 名古屋大学 工学部 教授
1998年 NEDO「高機能材料設計プラットフォームの開発」プロジェクトリーダ
2004年 東京大学大学院 工学系研究科 教授 現在にいたる
【受賞歴】
1982年 高分子学会賞
1983年 日本レオロジー学会有功賞
1988年 日本IBM科学賞
1999年 ベルギー カソリック大学(ルーバン) 名誉博士
2001年 アメリカレオロジー学会 Bingham Medal
2001年 アメリカ物理学会 Polymer Physics Prize (Ford prize)
2003年 日本レオロジー学会 学会賞
2005年 イギリス物理学会 名誉会員 Honorary Fellow of Institute of Physics
【研究キーワード】
ソフトマター物理(高分子、液晶、コロイド、ゲルなど)、ゲルのダイナミクス、理論計算
【学会活動】
日本物理学会、高分子学会、レオロジー学会、アメリカ物理学会(AIP)、イギリス物理学会(IOP)
【研究主監会議の意見】
土井正男氏はこれまでに、「ソフトマター」と呼ばれる物質の流動・変形・物質拡散などのレオロジー現象を研究してきた。例えば高分子液滴の乾燥、接着や剥離、ゴムや粘着剤の界面でのすべりと摩擦に関して実験・理論・シミュレーションのアプローチから研究を進めてきた。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は、ソフトマテリアルのミクロな分子特性とマクロな材料特性を仮想実験技術によって結びつけることを目的とした、NEDO「高機能材料設計プラットフォームの開発」プロジェクトリーダを務め(1998年から2002年まで)、また現在は、日本学術会議の連携会員を務めている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると見られる。
中島 秀之(なかしま ひでゆき)氏
【現職】公立はこだて未来大学 学長
【学職歴】
1977年 東京大学 工学部 計数工学科 卒業、工学士
1980年 東京大学大学院 工学系研究科情報工学専門課程 修士修了、工学修士
1983年 東京大学大学院 工学系研究科情報工学専門課程 博士修了、工学博士
1983年 電子技術総合研究所 入所
1991年 電子技術総合研究所 協調アーキテクチャ計画室長
1994年 電子技術総合研究所 知能システム部 通信知能研究室長
1998年 電子技術総合研究所 情報科学部 部長
1999年 電子技術総合研究所 企画室長
2001年 産業技術総合研究所 サイバーアシスト研究センター センター長
2004年 公立はこだて未来大学 学長
【受賞歴】
1985年 日本情報処理学会 論文賞
1986年 日本情報処理学会 山内賞
1987年 日本情報処理学会 学術奨励賞
1987年 元岡記念会元岡賞
1988年 日本人工知能学会 昭和62年度論文賞
1993年 日本情報処理学会 山内賞
1993年 日本認知科学会 論文賞
1997年 電子技術総合研究所 業績賞
【研究キーワード】
人工知能、マルチエージェント、ユビキタスコンピューティング、サイバーアシスト
【研究主監会議の意見】
中島 秀之氏は情報理論分野において、認知科学、人工知能の研究を主要研究課題としつつ、幅広い研究を行い、多くの成果を上げてきた。特に、Prolog/KRと呼ばれるプログラミング言語の作成が高く評価されている。これらの成果は国内外で高く評価されており、本研究分野において深い先見性と洞察力を有していると見受けられる。また同氏は、日本認知科学会会長、産業技術総合研究所サイバーアシスト研究センター長やIPA「未踏ソフトウェア創造事業」プロジェクトマネージャーなどを歴任し、現在は、公立はこだて未来大学の学長、情報処理学会副会長、ユビキタスコンピューティングシステム研究会顧問などを務めている。これらを総合すると、関連分野の研究者から信頼され、公平な評価を行いうると見られる。