開発を終了した課題の評価
課題名 | 「カーボンナノチューブを用いた熱交換器複合材料」 | ||||
所有者 | 大阪府、住友精密工業株式会社 | ||||
研究者 | 大阪府立産業技術総合研究所 主任研究員 垣辻 篤 | ||||
委託企業 | 住友精密工業株式会社 | ||||
開発費 | 約2億5000万円 | ||||
開発期間 | 平成16年3月~平成20年3月 | ||||
評価 |
本新技術は、アルミニウム合金にカーボンナノチューブ類を配向・添加することにより、熱伝導率を飛躍的に高めた複合材料を開発するものである。 従来、熱交換器などの材料には銅やアルミニウム合金が使用されてきたが、熱伝導率をより向上させ、小型化を図り、環境負荷を減らすことが望まれている。近年応用が広がっているカーボンナノチューブは極めて大きな熱伝導率を有するため、これを金属母材中に理想的に分散させれば、熱伝導率を格段に高めることが期待されるが、実用可能な方法は見出されていない。 本新技術では、フィラーとして、繊維が太く取扱いが容易な気相成長カーボンファイバー(VGCF)とカーボンナノチューブを併用し、アルミニウム合金粉末と積層して放電プラズマ装置(SPS)で焼結することにより、フィラーが理想的に分散した複合材料を実現した。開発の結果、アルミニウム合金の熱伝導率の3倍を超える高性能な伝熱材料の製造が可能となった。 本新技術は、半導体産業や航空機産業などの分野において、高性能の熱交換器や熱放散部品に広く適用されることが期待される。 | ||||
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成20年6月16日 |