JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第559号 > 用語説明

<用語説明>

注1)中空粒子
 内部に空隙を有し、比重が小さい粒子。有機系、無機系があり、無機材の中空粒子としては、シリカ、チタニヤ、アルミナ、ジルコニアなどが知られている。
 本プロジェクトで開発した炭酸カルシウムについては、これまで実用例がなく、安全性の面で広範な用途をもつ炭酸カルシウム中空粒子の製造技術確立が望まれていた。

注2)バブリング
 水中に気体を放出して、多数の気泡を形成させること。

注3)コンタミネーション
 汚染のこと。ここでは、本来混入するべきでない物質が混入することを意味する。

注4)W/Oエマルジョン法
 W/Oエマルジョンとは、油相の液体中に水相のコロイド状粒子が分散し、乳状となったものである。W/Oエマルジョン法による中空粒子の生成は、水相と油相の境界における反応を利用して殻を形成させ、最後にコア物質を除去することによって行なわれる。

注5)スプレードライ法
 スプレードライ法は、原料となる液体を微細な霧状にし、これを熱風中に噴出させ、瞬間的に粉体を得る方法である。原料スラリーの分散状態をコントロールすることによって中空粒子を得ることも可能である。

注6)バブルテンプレート法
 通常、テンプレート法による中空粒子の生成は、コアとなる液滴または固体粒子表面にシェル素材をコーティングし、コアを除去するため、得られた粒子に酸または加熱などの処理を行う必要があった。本開発のバブルテンプレート法では、気体がコアとなるため、従来法のようなコアの除去や廃棄物の処理が不要となりコンタミネーションのない中空粒子の生成が可能となった。

注7)アラゴナイト
 結晶構造が斜方晶系の炭酸カルシウム。