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科学技術振興機構報 第558号

平成20年9月8日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報課)
URL http://www.jst.go.jp

「大量情報を言葉のつながりで表現し、新たな気づきを生み出す」
ベンチャー企業設立

(JST大学発ベンチャー創出推進の研究開発成果を事業展開)

 JST(理事長 北澤 宏一)は、産学連携事業の一環として、大学などの研究成果をもとにした起業のための研究開発を推進しています。
 平成18年度に開始した研究開発課題「データマップ法と概念グラフによる次世代検索エンジンの研究開発」(開発代表者:廣川 佐千男 九州大学情報基盤研究開発センター 教授、起業家:宥免 達憲)の成果を基に、メンバーらが出資して平成20年9月3日、「株式会社 Lafla」を設立しました。
 「株式会社 Lafla」は、インターネット上のWebページや企業内の文書など増加の一途を辿る情報に関して、九州大学の廣川 佐千男教授が開発したテキストマイニング注1)技術をもとに分析を行い、大量の文書情報をその文書中に現れる言葉のつながりによって表現し、閲覧者に対して情報の全体像を見せ、全体像の中から思わぬ「気づき」を与えることで、埋もれていた情報の発掘・露出効果を提供します。
 また、文書情報の分析に加え、情報を複数の属性によって分類し、クリックだけで効果的に絞り込む技術も開発中であり、文字入力の困難な携帯電話での情報検索用に、2009年2月を目途として提供予定です。
 「株式会社 Lafla」は、マイニング技術をもとにした情報分析・検索サービスをインターネット経由で提供することにより、事業化後3年で年商1億円を目指します。
 今回の「株式会社 Lafla」設立により、プレベンチャー企業および大学発ベンチャー創出推進によって設立したベンチャー企業数は80社となりました。

今回の企業の設立は、以下の事業の研究開発成果によるものです。
 独創的シーズ展開事業 大学発ベンチャー創出推進
研究開発課題 「データマップ法と概念グラフによる次世代検索エンジンの研究開発」
開発代表者 廣川 佐千男(九州大学 情報基盤研究開発センター 教授)
起業家 宥免 達憲
研究開発期間 平成18〜20年
 独創的シーズ展開事業 大学発ベンチャー創出推進では、大学・公的研究機関などの研究成果をもとにした起業および事業展開に必要な研究開発を推進することにより、イノベーションの原動力となるような強い成長力を有する大学発ベンチャーが創出され、これを通じて大学などの研究成果の社会・経済への還元を推進することを目的としています。

<開発の背景>

 IT、インターネットの普及により、大量の情報を容易に収集できるようになった一方で、情報量が人間の処理能力を上回る「情報の洪水」状態が発生しており、大量の情報の中から、いかに有効な情報を効率よく探し出すかが大きな課題となっています。

 現在はGoogleやYahoo!などの大手検索エンジンが情報検索の役割の大半を担っていますが、これらは検索結果を一次元的に表示していることから、一度に識別できる情報量に限りがあるうえ、所望する情報に到達するためには、複数の検索キーワードを入力しなければならないケースも多くあります。そのため、適切な検索キーワードが思い浮かばず、思った情報が得られないということにもつながっています。

<研究開発の内容>

 本研究開発の内容は、複数のテキスト文書中から特徴的な言葉を抽出し、文書中に現れる特徴語の頻度を解析することで、特徴語同士の関連性を導き出すというテキストマイニング技術に基づくものです。

 テキストマイニング技術は、「ConceptGraph®」という分析エンジンと、分析結果を可視化表示する「MINDEX®」で構成されます。また、インターネット上に公開されているWebページから選択的に情報を抽出するための「Webクローラー」注2)についても研究・開発しており、必要な情報を自動的に収集することが可能です。

<今後の事業展開>

 初年度は、「ConceptGraph®」「MINDEX®」「Webクローラー」を用いた情報の分析サービスを特定企業に対して提供します。これらの技術を、市場調査会社が提供する有価証券報告書分析サービスに採用提案するなど、多分野に広く展開する計画です。また、Webサイト内の情報を可視化し、深層ページに潜む情報を効率的に露出するための汎用的な分析サービスもASP形式にて提供する予定です。

 「株式会社 Lafla」は、属性情報が付与された文書群を共通属性によって階層的に超高速分類する独自技術を有しております。この技術を活用することで、あらゆる検索フェーズから、任意の追加条件を網羅的に計算し、効率的な検索条件の組み合せを推薦することが将来的に可能となります。現在、本技術をもとに、文字入力を行うことなく、目的とする情報に素早く辿り着くことのできる情報検索サービスを携帯電話向けに開発中で、2009年2月を目途に提供を開始する予定です。

<用語説明>

注1)テキストマイニング
 定型化されていない文書の集まりを自然言語解析の手法を使って単語やフレーズに分割し、それらの出現頻度や相関関係を分析して有用な情報を抽出する手法やシステム。マイニング (mining)とは「発掘」という意味で、テキストの山から価値ある情報を掘り出す、といった意味が込められている。データマイニングの手法の一種である。

注2)Webクローラー
 インターネット上に公開されているWebページを自動的に収集するためのプログラム。一般的には、Googleのように全Webサイトを収集するプログラムを指すが、ここでいうWebクローラーは、特定のサイト内のみ、特定の言葉を含むWebページのみといった条件を設定し、条件を満たすWebページだけを選択的に収集するプログラムである。

<本件お問い合わせ先>

株式会社 Lafla
〒812-8581 福岡市東区箱崎6−10−1九州大学内VBL棟
宥免 達憲(ユウメン タツノリ)
Tel:092-400-4562 Fax:092-400-4563 E-mail:
http://www.lafla.co.jp

独立行政法人 科学技術振興機構 産学連携事業部 技術展開部 新規事業創出課
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