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別紙3

地球規模生物多様性情報機構(GBIF)の活動について

1.概 要

 GBIF(Global Biodiversity Information Facility)は、生物多様性に関するデータを各国・各機関で分散的に収集し、ネットワークを通じて全世界的に利用することを目的とする国際協力による科学プロジェクトです。
 その活動により動物や植物、微生物、菌類などの広範な生物種、生物標本、観察データから遺伝子配列情報、たんぱく質データ、生態系データなどとの相互運用、利用が可能になることが期待されています。
 GBIFは平成13年3月から正式に活動を開始し、平成15年4月にデンマークのコペンハーゲンに事務局を設置しました。当初5年計画(平成14~18年)で活動を行い、平成17年に中間評価が行われました。現在、第2期(平成19~23年)の初年度を終了したところです。
 平成20年7月現在、投票権を持つ29ヵ国と投票権を持たない18ヵ国、37組織・機関の準参加組織(計84ヵ国および組織・機関)で構成されています。GBIFデータポータルを通じて、256のデータプロバイダが提供する1億4000万件以上のデータが利用できます。

2.経 緯

 GBIFは、OECDメガサイエンス・フォーラムのもとに設置されていた「生物情報科学ワーキンググループ」の報告書(平成11年1月)の中で設立構想が示され、平成11年6月のOECD閣僚級科学技術政策委員会において、その設立が促されました。その後、4回の設立準備委員会が開催され、平成12年12月にGBIF設立文書が確定しました。
 生物多様性に関するデータの集積およびその利用は、日本にとって今後ますます重要になると思われることから、日本においても関係府省や機関の連携・協力のもと、このプロジェクトに参加しています。

3.主な活動

(1)生物多様性データベースの統合検索機能(GBIFデータポータル)

インターネットの多数のサイトに分散して存在する生物多様性データベースを統合検索する、いわば仮想データベースです。

平成20年7月1日現在の登録レコード数は、1億6011万4105件(うち、日本からの情報発信は122万6311件)です。

(2)データベースの標準化

さまざまなデータ構造および通信プロトコルで提供されている生物多様性データベースをGBIFポータルから統合検索するために、GBIF標準のデータ構造および通信プロトコルを規定しています。現在のところ、GBIF標準のデータ構造としてはDarwinCoreおよびABCD、GBIF標準の通信プロトコルとしてはDiGIRおよびBioCASEが採用されています。

(3)データ収集およびデータベース構築の支援

ソフトウェアの提供やトレーニングなどを通じて、主として発展途上国のデータ収集およびデータベース構築の支援を行っています。

GBIFホームページ URL(英語) : http://www.gbif.org/
GBIF JAPANホームページ URL(日本語) : http://bio.tokyo.jst.go.jp/GBIF/gbif/japanese/index.html