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社会技術研究開発事業「研究開発成果実装支援プログラム」
平成19年度の選考のプロセスと今後の提案に対する期待

社会技術研究開発センター
 研究開発成果を適用して、社会における具体的な問題を解決する活動を支援する本プログラムは、単に社会技術におけるニーズとシーズをマッチングさせることに留まらず、結果として、誰が、どの様なメリットを受けるのかに主眼をおいて設計され、審査が行われた。
 今回支援対象として採択された実装活動は、「津波防災戦略策定システムの全国配備拠点の整備」、「投薬ミスや薬害を防ぐための医療スタッフ向け全国ネットワーク研修システム」、「情報通信技術を用いた新しい救急搬送システムの構築」、「e-ラーニングによる発達障害支援ネットワークづくり」、「海上流出油のバイオ処理方式の普及」という、安全・安心、情報、教育・福祉、環境の分野で、それぞれ公的研究開発資金(科学研究費補助金、厚生労働科学研究費補助金、社会技術研究開発事業など)により得られた研究開発成果が社会の問題解決の手段として存在し、社会に実装しようとする活動の趣旨が明確なものである。
 本プログラムは今年度から新たに開始されたため、応募のあった提案の中には、社会において実装の対象としてメリットを受ける人々の視線での説明が不明瞭なもの、必要条件となる研究開発成果が実装に適用可能な段階に達しているのかが不明なものもあり、次年度以降、応募の要件の明確化と周知を図る必要が考えられた。
 今年度の応募の結果から、まだまだ研究者がその研究開発成果をもって実装活動に移行する例が多いと考えられた。次年度に向けて、公的研究開発資金による研究開発成果を持つ研究者(特に国公立試験研究機関や大学)に本プログラムを広く認知してもらい、質的・量的に高い実装活動の積極的な提案がなされること、加えて本プログラムにつながるような、刻々と変化する社会のニーズを捉えて、現実の社会問題を解決する研究開発が実施されることを期待したい。
※平成19年度の採択結果については、下記のプレスリリースをご覧ください。
科学技術振興機構報 第488号(平成20年3月10日)
 「社会技術研究開発事業『研究開発成果実装支援プログラム』平成19年度 実装支援対象の決定について」
 URL:https://www.jst.go.jp/pr/info/info488/index.html