開発を終了した課題の評価
課題名 | 「着色排水のバイオ脱色処理システム」 | ||||
所有者 | 大阪府、日本酵研株式会社 | ||||
研究者 | 大阪教育大学 講師 杉浦 渉(元 大阪府公衆衛生研究所) | ||||
委託企業 | 三木理研工業株式会社 | ||||
開発費 | 約1億5800万円 | ||||
開発期間 | 平成17年10月~平成19年10月 | ||||
評価 |
本新技術はバチルス菌を担持させた流動床用多孔質担体を用いて、染色工場の大半で使用されているアゾ系染料を含有する着色排水を短時間に連続的に脱色処理するシステムである。 本新技術では、微生物・バチルス菌(OY1-2株)が産生する酵素アゾリアクターゼにより、アゾ染料の発色団であるアゾ基を分解還元してアミン化合物に変換する。この酵素反応による染料の分解は嫌気状態下、菌体内の補酵素の関与により行われるため、使用する薬剤もpH調整用硫酸と菌の増殖用栄養のみで、排出汚泥量を従来方法に比べ大幅に低減することが可能となる。 本開発では、提携先の染色工場に着色排水処理の実証プラントを設置し、約1年半に及び実証試験を行った。実証試験においてバチルス菌の培養槽、バイオリアクター槽(脱色槽)、活性汚泥槽の運転条件の検討を行い、最適化するとともに、各工程施設の改良を行った。 その結果、処理水の着色度は日間平均71倍、最大113倍となり、開発目標値(1ヶ月間の日間平均80倍以下、最大120倍)をクリアした。また、汚泥排出量は凝集剤を用いないため従来法に比べて、約1/5程度に低減された。 本新技術により低コストで廃棄汚泥量の少ない脱色処理システムが確立されることで、既に着色排水規制が設定されている和歌山市、川崎市、三郷市はもとより、今後、規制化が進むと予想される全国の着色排水による水質汚染対策に貢献することが期待される。 | ||||
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成19年12月4日 |