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資料2

新規研究開発領域の領域総括について

 社会技術研究開発事業では、領域の目標を達成するために各領域の運営責任者である領域総括の総合的なマネジメントのもと、研究開発を推進します。
 新規研究開発領域「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」においては、専門分野や関連プロジェクトにおける実績などを踏まえ、堀尾 正靱(東京農工大学 元教授)を領域総括として決定しました。

<堀尾 正靱(ホリオ マサユキ) 略歴>

 1943年生まれ。工学博士。
 2008年3月31日に東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 教授を定年退職。
 1966年に名古屋工業大学 工業化学科卒業。1971年に名古屋大学 大学院工学研究科 博士課程を単位取得退学。1974~1976年にウエストバージニア大学 研究員、1979年に名古屋大学 助手などを経て、1982年より東京農工大学 工学部 助教授、1991年より同教授。1995年より大学院生物応用科学研究科 教授。2004年に大学院部局化改組により上記研究院 教授。
 その他、1997~2008年に国際誌「Powder Technology」アジア・オセアニア地域編集長、2002~2006年に東京農工大学の21世紀COEプログラム「新エネルギー・物質代謝と『生存科学』の構築」リーダー、2003~2007年に文科省リーディングプロジェクト(以下「LP」)「一般・産業廃棄物・バイオマスの複合処理・再資源化プロジェクト」プロセス技術開発グループリーダーを務める。

 戦後の技術革新と公害のさなかに技術のあり方についての思索を始め、化学工学を選んでからは、粉体反応、環境・エネルギーに専門を展開。COEの農工融合研究の中で、農業から環境・エネルギーにわたる社会的技術システムの危機の状況を実地に検討。都市・農村を結合した、市民・行政・専門家の新たなネットワークと、石油依存の中で構築された社会的規模の現代技術体系の維持・管理を軸として整備された「縦割り構造」を「横断的なもの」にすること、適正技術の開発を進めること、および風土由来資源に基づく伝統文化を現代的に再興することの重要性を見出してきた。LPでは、バイオマスガス化適正技術研究などと併せ、横断的視点から地域の物質・エネルギーリサイクル計画ができる公共的データプラットフォームPEGASUS(http://www.pegasus-web.org)を開発した。
 著書は、「流動層ハンドブック」(編著:培風館、1999年)、「暮らしに根ざした心地良いまち」(共著:公人の友社、2005年)、「環境-設計の思想」(編著:東信堂、2007年、第7章「脱温暖化」と「脱近代化」を担当)など。