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氏名(現職): 腰原 伸也(こしはら しんや)
(東京工業大学 理工学研究科 教授) 43歳 |
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2. |
略歴
1983年 3月 | 東京大学・理学部・物理学科 卒 |
1985年 3月 | 同大・理学系研究科・修士課程 修了 |
1986年10月 | 東京大学・理学部 助手 |
1991年 9月 | 理化学研究所・フォトダイナミクス研究センター 研究員 |
1993年 9月 | 東京工業大学 理学部 助教授 |
2000年 4月 | 東京工業大学 理工学研究科 教授 |
この間
1993年 9月-2002年 3月 |
理化学研究所・フォトダイナミクス研究センター 非常勤研究員を兼任 |
1998年 4月-2003年 3月 |
神奈川科学技術アカデミー(KAST)プロジェクトリーダーを兼任 |
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3. |
研究分野
半導体光物性、光誘起協力現象(光誘起相転移)
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4. |
主な学会活動等
「光誘起相転移とその前駆現象に関する国際会議2002」組織委員 |
「金属錯体における協力現象に関する国際会議2002」組織委員 |
国際学術雑誌「Materials Science」アドバイザリーボード |
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5. |
業績等
強い電子相関、電子ー格子相互作用を有する物質における、新規な光電・磁気的物性を伴う光誘起共同現象(光誘起相転移)の探求という、新分野の開拓的研究を一貫して行っている。この研究は、物質開発と測定装置そのものの開発という2つの側面を持っており、学際的協力関係を結んだ国内外の多くの研究者、施設と共同研究を推進している。その成果として、まず物質面では、光誘起による有機誘電体における協同的電荷移動とその超高速ダイナミクスの発見(Phys.Rev.B 1990, J.Phys.Chem.B Feature Article 1999)、可逆光誘起相転移を示す新奇なポリマーの発見とその光相スイッチ現象の探求(Phys.Rev.Lett. 1992, Phys.Rev.B 1995)、半導体非平衡ナノ構造における光磁性(Phys.Rev.Lett. 1997)の発見、有機金属錯体におけるナノ磁石光スイッチングとその磁場制御(Phys.Rev.Lett.1999, Phys.Rev.B 2002)等、独創的な結果を報告している。また、装置面に関しても、世界に先駆けた「軌道放射光とモードロックレーザーの同期装置」開発にその立ち上げから取り組んでいる(Rev.Sci.Inst. 1989)。その成果を基にして行った、ヨーロッパ放射光施設(ESRF)における時間分解構造解析に関する共同研究では、つい最近「光誘起強誘電秩序」という基礎、応用両面で重要な結果を得ることに成功している(Science 2003)。従来の物理、化学の枠を超えた、物質科学、加速器科学、新極限構造測定技術開発との広範かつ密接な連携の上に、動的非平衡物質構造学という新しい分野開拓へむけてよりいっそう邁進することが強く求められるに至っている。
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