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別紙1

バイオインフォマティクス推進事業 継続研究開発課題 一覧

課題名 大規模比較ゲノムワークベンチの実践的応用に向けた研究開発
代表研究者 内山 郁夫(自然科学研究機構 基礎生物学研究所 助教)
概要 これまでの研究開発で、大規模な比較ゲノム解析に向けたワークベンチを開発し、オーソログ分類結果全体の効果的な表示、利用者自身の持つゲノムを取り込んだ解析、内群・外群の概念導入による興味ある生物種を中心とした比較解析、近縁ゲノム間の遺伝子の並び順の保存性に基づくコア構造アライメント等の機能を実現してきた。本課題では、開発した比較ゲノムワークベンチの応用可能性をさらに広げるため、新規に決定されたゲノムとその近縁種を取り込んだ比較解析を容易にするための改良、メタゲノムデータへの適用を可能にするための開発、ならびにデータベースのさらなる大規模化に向けた効率的なデータ管理方式の開発を行う。

課題名 タンパク質の構造・機能・相互作用予測システムの開発と展開
代表研究者 太田 元規 (東京工業大学 学術国際情報センター 准教授/4月1日より名古屋大学 大学院情報科学研究科 教授)
概要 これまでの研究開発で、タンパク質の構造を予測し、機能アノテーションを付与するシステムを作製した。このシステムをヒトゲノム由来の配列に適用し、ヒトゲノム構造・機能アノテーションデータベースを構築した。本課題では研究対象をタンパク質複合体にまで拡張し、時間概念を取り入れた複合体構造のモデル、および複合体比較と分類を提供する。また、確率的プロファイル比較法による構造予測を高速化し、実用化をはかる。

課題名 ヒト胚の形態発生に関する三次元データベース
代表研究者 塩田 浩平(京都大学 大学院医学研究科 教授)
概要 これまでの研究開発で、京都大学のヒト胚標本コレクションのうち約1200例の正常胚についてMR撮像を行い、高解像度の形態計測データを得た。本課題では、これを発展させて、超高磁場7T(テスラ)のMR装置と新規のイメージング手法であるEFIC(Episcopic Fluorescence Image Capture)法を用い、発生早期のヒト胚の超高解像度の画像データベースを構築する。また、ヒトの発生と先天異常のゲノムワイドな解析を行うためのインフラとなる、発生段階ごとのヒトの詳細な三次元画像データベースを構築する。

課題名 実践による超分子ネットワークモデリングシステムの開発
代表研究者 白井 剛(長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部 教授)
概要 これまでの研究開発で、複合体モデリングに必要なモデリングツールを開発した。これを古細菌3R(複製・修復・組み換え)複合体の構造解析に適用し、モデリングと実験データとの一致を確認した。本課題では、これを分子ネットワークモデリングへと発展させる。実験的に古細菌3R複合体のネットワークを繋ぐ複合体の発見と構造解析を行うとともに、モデリングツールにおいてもネットワークモデリングに適したツールを開発し、複合体構造の解明をめざす。