開発を終了した課題の評価
課題名 | 「表面をゼオライト化した機能性発泡ガラスの製造技術」 | ||||
所有者 | 荒木 宏之、日本建設技術株式会社 | ||||
研究者 | 佐賀大学低平地研究センター センター長 荒木 宏之 | ||||
委託企業 | 日本建設技術株式会社 | ||||
開発費 | 約291百万円 | ||||
開発期間 | 平成16年3月~平成19年3月 | ||||
評価 |
本新技術は、多孔質で連続細孔構造を持ちかつ比表面積が大きい、水質浄化機能に優れた発泡ガラス表面にゼオライトを担持させた“ゼオライト化発泡ガラス”に関するものである。 容器包装の有色ガラスや建設廃材の板ガラス等の廃ガラスは再利用が困難なことから有効利用が望まれている。それらの廃ガラスを利用した発泡ガラスは開発されていたが、比重が低く、吸着能が低いことから用途が限られていた。 本新技術では、まず河川・湖沼等の浄化等へ用途を拡大するために発泡ガラスの高比重化を行った。さらに、重金属等の汚染物質を吸着するために高比重化発泡ガラスを水酸化ナトリウムと水酸化アルミニウム混合液に浸漬して、マイクロ波で加熱することで表面を覆ったアルカリ分の溶解を促し、人工ゼオライトと同等の陽イオン交換能を有する物質を形成した。 本開発では、小型バッチ炉実験で発泡剤の添加量や種類、焼成温度および焼成時間を変えることによって発泡ガラスの高比重化を行い、実用生産施設での製造条件を確立した。次に、小型マイクロ波装置を使って発泡ガラスのゼオライト化法を検討し、さらに、大型マイクロ波装置で検証した。 その結果、比重が1以上で水に沈みかつ人工ゼオライト並みの陽イオン交換能を持つゼオライト化発泡ガラスの製造が可能となった。 新技術により製造されたゼオライト化発泡ガラスは、人工ゼオライト並みの保水性・吸着能を有することから環境に安全な浄化資材として、閉鎖海域・湖沼浄化など幅広い用途への展開が期待できる。 | ||||
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成19年6月7日 |