JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第434号 > <用語解説>

用語解説

注1)遺伝子導入ベクター:特定の遺伝子を細胞内へ導入するためのDNA領域。遺伝子治療実験においては、一般的に、ヒト細胞への導入効率の高い哺乳類のウイルスがベクターとして利用されている。

注2)自己不活化型レンチウイルスベクター:レンチウイルスは、RNAをゲノムに持つウイルスの一種で、ヒト免疫不全症ウイルスI型もこれに含まれる。遺伝子治療実験に利用されるベクターは、ウイルスの複製に関与する領域を欠損しており、自己不活化型のベクター系を利用する。

注3)糖たんぱく質:ウイルスの外皮(エンベロープ)を構成するたんぱく質。ウイルスの種類によって構造が異なり、宿主細胞との相互作用に関与する。

注4)線条体:運動制御に関与する脳領域。大脳皮質の多くの領野、視床の一部、中脳の黒質(緻密部)などの領域から入力を受ける。

注5)ドーパミン神経細胞:神経伝達物質としてドーパミンを含有する神経細胞。黒質(緻密部)に細胞体が局在し、線条体へ軸索を投射するドーパミン神経は、黒質―線条体系と呼ばれ、パーキンソン病で変性・脱落することが知られている。

注6)緑色蛍光たんぱく質(GFP):オワンクラゲ由来のたんぱく質で、緑色の蛍光を発する。遺伝子発現のマーカーとして広く利用される。