本新技術の背景、内容、効果は次の通りです。

(背景) 二次電池の製造工程や製品評価試験等で使用される充放電電源装置に高回生効率化、コンパクト化、さらには高精度化が求められています。

 充電することにより、繰り返し使用できる二次電池の製造工程や製品評価試験等で充放電試験を行いますが、二次電池に充電した電力を有効に再利用するため、回生型充放電電源装置が用いられています。従来技術では、電力の伝送は単方向であるため、充電時には充電装置が、放電時には放電装置が必要となっていました。また、放電時に二次電池電圧が低くなると、電源電圧まで昇圧することが困難であり、別途バイアス電源を用いて二次電池電圧を昇圧するか、または、熱として放電抵抗器で大気に放出させる等、無駄にエネルギーが消費されていました。そのため、低い回生効率はもとより、装置の大型化が余儀なくされ、高回生率化、コンパクト化、さらには高精度化が求められています。

(内容) 高回生効率化、高精度化、コンパクト化をはかった電力回生型充放電電源装置に関するものです。

 本新技術においては、電力の正逆方向制御を可能にするPPM(パルス位相変調)方式を採用したことにより、二次電池の充電回路と放電回路の一体化を可能にしました。
 また、コンバータの高周波数化やPPM制御の特長を生かした±制御により、バイアス電源が不要となり、高効率化を達成しました。
 本開発には、この様な高回生効率化と性能向上化をはかった電力回生型充放電電源装置に関するものです。

(効果) 85%以上の高回生効率化、高精度化、コンパクト化をはかった電力回生型充放電電源装置は二次電池関連業界に広く利用が期待される。

 従来技術を大幅に上回る85%以上の回生効率の向上化と共に、高精度化、コンパクト化がはかられ、その結果、二次電池の製造工程や製品評価試験工程での利用のみならず、高速充放電切替を達成したことにより、電気自動車用の大容量型二次電池の走行シミュレーターへの利用が可能となりました。
 本新技術による電力回生型充放電電源装置は、モバイル社会や高度エネルギー社会の基盤を担う二次電池関連業界に広く利用が期待できます。

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This page updated on March 25, 2004

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