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<用語解説>

注1:化学量論量
基質aモルに対する触媒や試薬(今回の場合は酸化剤)の必要量が理論的にaモルもしくはそれ以上である場合、その量を化学量論量という。アルコールの酸化反応の場合、基質と同モルもしくはそれ以上の酸化剤が必要であり、大量の金属酸化剤を消費・廃棄することを意味する。

注2:高分子カルセランド型触媒
本プロジェクトで開発した、高分子固定化金属触媒の一種。高分子に金属触媒を取り込ませた後に高分子の架橋反応を行うことにより金属触媒を囲い込み、高分子からの金属の流出を防いでいる。今回の金触媒も高分子カルセランド型触媒に含まれる。

注3:マイクロカプセル化
本プロジェクトで独自に開発した、触媒を高分子に固定化する手法の一つ。金属触媒と高分子を有機溶媒中で混合し、調製する。

注4:架橋
高分子内の側鎖同士を結合させること。架橋により高分子触媒が溶媒に溶けにくくなり、触媒の回収・再使用が容易になる。

注5:カルボニル化合物
分子構造にカルボニル基(炭素と酸素が二重結合したもの)を含む化合物。アルコールの酸化でカルボニル基が生成する。

注6:触媒回転率
単位時間当たりに1分子(あるいは1原子)の触媒が反応を進行させる回数。