本事業では、社会・経済の変革につながるイノベーションを生み出すシステムの一環として、戦略的重点化した分野における基礎研究を推進し、今後の科学技術の発展や新産業の創出につながる、革新的な新技術の創出を目指します。
今回、新たに加わる6つの研究領域、「精神・神経疾患の分子病態理解に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出」領域(樋口 輝彦 研究総括)、「ディペンダブルVLSIシステムの基盤技術」領域(浅井 彰二郎 研究総括)、「次世代エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新技術・プロセス研究」領域(渡辺 久恒 研究総括)、「革新的次世代デバイスを目指す材料とプロセス」領域(佐藤 勝昭 研究総括)、「数学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索」領域(西浦 廉政 研究総括)、「生命現象の革新モデルと展開」領域(重定 南奈子 研究総括)に、既存の17領域を合わせた合計23領域において募集を行います。
1.事業の趣旨
本事業は、社会・経済の変革につながるイノベーションを誘起するシステムの一環として、戦略的重点化した分野における基礎研究を推進し、今後の科学技術の発展や新産業の創出につながる革新的な新技術を創出することを目的としています。
2.事業の概要
国の科学技術政策や社会的・経済的ニーズを踏まえ、社会的インパクトの大きい目標(戦略目標)を国(文部科学省)が設定し、そのもとに推進すべき研究領域と、研究領域の責任者である研究総括をJSTが定めます。研究総括のもとで、戦略目標の達成へ向けて革新的技術シーズの創出を目指した基礎研究を推進します。
本事業のうち、「CRESTタイプ」(チーム型研究)および「さきがけタイプ」(個人型研究)では、研究領域の責任者である研究総括が、研究領域をバーチャル・インスティテュート(姿なき研究所)として運営します。研究領域ごとに研究提案を募集し、研究総括が領域アドバイザーの協力等を得て研究課題を選定します。研究領域のもとで、選定された研究代表者が研究チームを編成し(CRESTタイプ)、または研究者が個人で(さきがけタイプ)、研究を推進します。
3.各研究タイプの概要と特徴
(1) 「CRESTタイプ」の概要と特徴
(2) 「さきがけタイプ」の概要と特徴
4.研究タイプごとの研究費や研究期間等
研究タイプ | 研究費 | 総額 | 研究期間1) | 構成人数 |
CRESTタイプ (チーム型研究) |
(種別A) 3千万円~ 5千万円程度/年 |
1.5~2.5億円程度 | 5年以内 | 数名~20名程度 |
(種別B) 6千万円~ 1億円程度/年 |
3~5億円程度2) | |||
さきがけタイプ (個人型研究) |
1千万円程度/年 | 3~4千万円程度 | 原則3年 | 1名 |
5.研究提案を募集する研究領域および募集期間
今回、新たに加わる6つの研究領域に、既存の17領域を合わせた合計23領域において、平成19年3月28日(水)から募集を開始します。研究提案の締め切りは、さきがけタイプが平成19年5月15日(火)午前12時(正午)、CRESTタイプが平成19年5月22日(火)午前12時(正午)です。
研究提案の応募は、「JST電子公募システムホームページ」からのみ可能です。(「紙媒体」又は「電子メール」による研究提案書の提出の受け付けはしておりません。)
JST電子公募システムホームページ URL https://puf.jst.go.jp/rqp/
研究提案を募集する研究領域は以下の通りです。
戦略目標 | 研究領域 | 研究総括 | 研究領域 発足年度 |
精神・神経疾患の診断・治療法開発に向けた高次脳機能解明によるイノベーション創出 | 精神・神経疾患の分子病態理解に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出 | 樋口 輝彦 (国立精神・神経センター武蔵病院 院長) |
平成 19年度 (新領域) |
高信頼・高安全を保証する大規模集積システムの基盤技術の構築 | ディペンダブルVLSIシステムの基盤技術 | 浅井 彰二郎 ((株)リガク 取締役副社長) | |
新原理・新機能・新構造デバイス実現のための材料開拓とナノプロセス開発 | 次世代エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新材料・プロセス研究 | 渡辺 久恒 ((株)半導体先端テクノロジーズ 代表取締役社長) | |
生命システムの動作原理の解明と活用のための基盤技術の創出 | 生命システムの動作原理と基盤技術(※) | 中西 重忠 ((財)大阪バイオサイエンス研究所 所長) |
平成 18年度 |
高セキュリティ・高信頼性・高性能を実現する組込みシステム用の次世代基盤技術の創出 | 実用化を目指した組込みシステム用ディペンダブル・オペレーティングシステム | 所 眞理雄 (ソニー(株) コーポレート・エグゼクティブ SVP、(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長) 村岡 洋一(副総括) (早稲田大学 理工学術院 教授) | |
異種材料・異種物質状態間の高機能接合界面を実現する革新的ナノ界面技術の創出とその応用 | ナノ界面技術の基盤構築 | 新海 征治 (九州大学大学院工学研究院応用化学部門 教授) | |
ナノデバイスやナノ材料の高効率製造及びナノスケール科学による製造技術の革新に関する基盤の構築 | ナノ科学を基盤とした革新的製造技術の創成 | 堀池 靖浩 (物質・材料研究機構 フェロー) | |
安全・安心な社会を実現するための先進的統合センシング技術の創出 | 先進的統合センシング技術 | 板生 清 (東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科 教授) |
平成 17年度 |
通信・演算情報量の爆発的増大に備える超低消費電力技術の創出 | 情報システムの超低消費電力化を目指した技術革新と統合化技術 | 南谷 崇 (東京大学先端科学技術研究センター 教授) | |
次世代高精度・高分解能シミュレーション技術の開発 | マルチスケール・マルチフィジックス現象の統合シミュレーション | 矢川 元基 (東洋大学計算力学研究センター センター長・教授、日本原子力研究開発機構システム計算科学センター センター長) | |
代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御に関する基盤技術の創出 | 代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御基盤技術 | 鈴木 紘一 (東レ(株) 専任理事、先端融合研究所 所長) | |
光の究極的及び局所的制御とその応用 | 新機能創成に向けた光・光量子科学技術 | 伊澤 達夫 (NTTエレクトロニクス(株) 相談役) |
戦略目標 | 研究領域 | 研究総括 | 研究領域 発足年度 |
新原理・新機能・新構造デバイス実現のための材料開拓とナノプロセス開発 | 革新的次世代デバイスを目指す材料とプロセス | 佐藤 勝昭 (東京農工大学 理事/ 教育担当副学長) |
平成 19年度 (新領域) |
社会的ニーズの高い課題の解決へ向けた数学/数理科学研究によるブレークスルーの探索(幅広い科学技術の研究分野との協働を軸として) | 数学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索 | 西浦 廉政 (北海道大学電子科学研究所 教授) | |
生命システムの動作原理の解明と活用のための基盤技術の創出 | 生命現象の革新モデルと展開 | 重定 南奈子 (同志社大学文化情報学部 教授) | |
生命システムの動作原理と基盤技術(※) | 中西 重忠 ((財)大阪バイオサイエンス研究所 所長) |
平成 18年度 | |
医療応用等に資するRNA分子活用技術(RNAテクノロジー)の確立 | RNAと生体機能 | 野本 明男 (東京大学大学院医学系研究科 教授) | |
異種材料・異種物質状態間の高機能接合界面を実現する革新的ナノ界面技術の創出とその応用 | 界面の構造と制御 | 川合 眞紀 (東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授、理化学研究所 川合表面化学研究室 主任研究員) | |
ナノデバイスやナノ材料の高効率製造及びナノスケール科学による製造技術の革新に関する基盤の構築 | ナノ製造技術の探索と展開 | 横山 直樹 ((株)富士通研究所 フェロー・ナノテクノロジー研究センター長) | |
光の究極的及び局所的制御とその応用 | 物質と光作用 | 筒井 哲夫 (九州大学先導物質化学研究所 教授) | |
光の創成・操作と展開 | 伊藤 弘昌 (東北大学電気通信研究所 所長・教授) |
平成 17年度 | |
新たな手法の開発等を通じた先端的な計測・分析機器の実現に向けた基盤技術の創出 | 生命現象と計測分析 | 森島 績 (立命館大学理工学部 客員教授) | |
代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御に関する基盤技術の創出 | 代謝と機能制御 | 西島 正弘 (国立医薬品食品衛生研究所 所長) | |
プログラムされたビルドアップ型ナノ構造の構築と機能の探索 | 構造制御と機能 | 岡本 佳男 (名古屋大学エコトピア科学研究所 客員教授) |
6.その他
今年度は、公募に際しての募集説明会の開催はありません。ご質問等は、7.お問い合わせ先までご連絡ください。
7.お問い合わせ先
独立行政法人科学技術振興機構
戦略的創造事業本部 研究領域総合運営室 ・ 研究推進部
〒332-0012 埼玉県川口市本町4-1-8 川口センタービル
募集専用:Tel 048-226-5693
募集専用E-mail:
詳細はホームページ
https://www.jst.go.jp/kisoken/teian.html
をご参照下さい。