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<用語解説>

注1)遺伝子病:
遺伝子の変異により引き起こされる疾患の総称。1つの遺伝子の変異が原因で起こる疾患は特に単一遺伝子病とよばれ、数百種類発見されています。

注2)mRNA:
DNAが持つ遺伝情報のうち、個々のタンパク質を合成する際の鋳型となる塩基配列を写しとったものをmRNAといいます。mRNAを鋳型として細胞内のタンパク質が合成されます。

注3)ポリ(A)鎖:
mRNAには方向があり、タンパクの合成は5’末端から3’末端方向に進みます。細胞内でタンパク質合成の鋳型となるmRNAには、DNAの情報を写し取った部分以外に新たに付け加わる部分があり、3’末端にはポリ(A)鎖が付加されます。ポリ(A)鎖はタンパク合成の開始を促進したり、mRNAを安定化する役割を持っています。

注4)ナンセンス変異:
DNAから合成されたmRNAは、タンパク質合成するための鋳型となる開始コドンから終止コドンまでの連続したコドンから構成されるコード領域を含んでいます。このコード領域内の、アミノ酸に対応するセンスコドン(遺伝暗号を構成する3塩基配列)が翻訳の終結反応を引き起こす終止コドンに変わった場合に、これをナンセンス変異とよびます。

注5)終止コドン:
mRNAを鋳型としてタンパク質が合成されますが、合成の開始と終了は特定のコドンによって決定されています。コドン3つ塩基配列の組み合わせであり、64種類のコドンのうち61種類はそれぞれアミノ酸に対応していますが、3つはタンパク質合成を終了させる終止コドンとなっています。

注6)3’末端:
mRNAには方向があり、タンパク質の合成は5’末端から3’末端方向に進みます。

注7)プロテアソーム:
修飾タンパク質ユビキチンで修飾されたタンパク質を分解する酵素です。標的タンパク質に対してユビキチン分子が付加されると、それが分解の目印となりプロテアソームにより認識されて分解に導かれます。

注8)リボソーム:
mRNAを鋳型としてタンパク質を合成する巨大な複合体がリボソームです。