独立行政法人科学技術振興機構(理事長 沖村憲樹)は、委託開発事業の開発課題「機能性甘味料アラビノースの製造技術」の開発結果をこのほど成功と認定しました。
本課題は、鹿児島大学名誉教授 (故)檜作進氏の研究成果を基に、平成12年3月から平成15年9月にかけて三和澱粉工業株式会社(社長 森本俊一、本社 奈良県橿原市雲梯町594番地、資本金 500百万円)に委託して実用化開発(開発費約1,450百万円)を進めていたものです。 |
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(開発の背景) |
とうもろこしから澱粉を製造する過程で、副産物としてとうもろこし粒の外皮(種皮)などの繊維質が大量に排出されるが、その用途は現状では付加価値が低く、より有効な利用が望まれています。その繊維質中のヘミセルロースにはアラビノキシランの形でアラビノースが多量に含まれています。しかし、これまでアラビノースの製造については、特定の糖を選択的に切断・遊離するための分離・精製工程が複雑となるため、大量生産は困難であるとされていました。 |
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(開発の内容) |
本新技術では、繊維質中のアラビノキシランを形成するアラビノースの結合部位を、特定の条件下での酸分解処理により選択性良く切断する技術を確立しました。また、分解の下流の分離精製について、複数のクロマトグラフィー分離カラムを用いて連続的にアラビノースを分離することが出来る新規な分離・精製技術を確立しました。これら要素技術をスケールアップし、大量生産に適した製造プロセス技術を実現し、月間原料処理100トンスケールのプラントで量産を実証しました。 |
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(開発の効果) |
アラビノースは、糖尿病の食事療法やその予防のための食事に使用される機能性食品素材として今後広く利用が期待されます。また、同工程からはアラビノキシロオリゴ糖、キシロオリゴ糖も産生されますが、これらも整腸作用等の機能性素材としての利用が期待されます。本新技術では、とうもろこし種皮など未利用の繊維質を有効利用して、効率よくアラビノースを大量生産することができます。 |
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【本件に関する問い合わせ先】 |
独立行政法人科学技術振興機構
開発部開発推進課 永田健一、菊地博道(TEL:03-5214-8995)
三和澱粉工業株式会社 社長室室長 八木保郎(TEL:0744-22- 5531) |
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