機構報第367号
開発を終了した課題の評価
課題名 | 「振動による褥瘡(じょくそう)治療用具」」 | ||||||
所有者 | 真田 弘美、マツダマイクロニクス株式会社 | ||||||
研究者 | 東京大学大学院医学系研究科教授 真田弘美 | ||||||
委託企業 | マツダマイクロニクス株式会社 | ||||||
開発費 | 84,072,681円 | ||||||
開発期間 | 平成16年3月~平成18年9月 | ||||||
評価 | 本新技術の開発結果は下記の通りであり、成功と判断するのが適当である。 記
本新技術は、褥瘡(じょくそう)患部に振動を与えることにより、阻血傾向にある血液の流れを促進させ、血液と組織間の栄養分の吸収や老廃物の排出を促して、軽度の褥瘡の解消やケアを行う機器に関するものである。本開発では、健常者の下肢に振動付加する実験により血流促進にメカニズムを調査した。実験の結果、振動付加により軸索反射または血管へのシアストレスによって、血流が改善したと考えられた。また、水平方向の振幅変調の最適な振動条件を明らかにし機器設計に反映した。 本開発機器により初期褥瘡の発赤が見られる患者を対象に臨床試験を行った。仙骨、大転子、踝(くるぶし)、踵(かかと)など各部の褥瘡に適用した結果、ほとんど全ての部位において1週間以内に発赤が縮小しあるいは色素沈着へと改善され、本機器が褥瘡の初期病変の発赤の解消に有効であることが確認できた。 従来から血流の促進効果があるものとして、入浴や足浴等の効果が報告されているが、これを毎日実施することは患者と看護師にとって時間を要する上に身体的負担が著しく大きいケアであった。 本製品は、簡便な操作により 寝たきりの人の褥瘡のケアができるので、病院や介護施設で利用が期待される。 | ||||||
評価者 |
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評価日 | 平成18年11月17日 |