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科学技術振興機構報 第349号

平成18年10月2日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

多分野で用いられる高機能性微粒子を提供するベンチャー企業設立

(JST大学発ベンチャー創出推進の研究開発成果を事業展開)

 JST(理事長 沖村憲樹)では、平成15年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくために、起業化に向けた研究開発を行う独創的シーズ展開事業 大学発ベンチャー創出推進を実施してきました。
 この度、平成15年度より開始した研究開発課題「インテリジェント微粒子材料の創製技術の開発」(開発代表者:大久保 政芳 (国立大学法人神戸大学 教授)、起業家: 村上 功)のメンバーが出資して、ベンチャー企業 株式会社スマート粒子創造工房(代表取締役: 大久保 勝芳、本社:兵庫県神戸市、資本金200万円)を平成18年7月7日に設立しました。
 10億分の1から百万分の1メートル(ナノ-ミクロンサイズ)といった非常に小さな高分子微粒子は、液晶ディスプレイのギャップ調整用材料、電子ペーパーの表示材料や臨床検査試薬など広く先端科学技術分野において利用されていますが、更に、一層の利用拡大を目指して、より高機能な微粒子の開発が期待されています。今回世界で初めて開発に成功した図1図2に示す円盤状やゴルフボール状の異形粒子は、その表面凹凸により、これまでにない適度な高光沢性が発現する事で、化粧品への応用が見込まれます。また図3に示す開口部を有するカプセル粒子は、2液混合型を1液タイプに改良した高機能接着剤、または芳香剤・農薬・殺菌剤・抗菌剤・殺虫剤などの各種カプセル製剤に応用可能です。図4は異種の高分子が交互に玉葱状に積層した複合高分子微粒子であり、その厚みを制御することにより光学材料、応力緩和材料としての利用が期待できます。
 一般に高機能微粒子の合成は、複雑な不均一系注1で行うため、生産量のスケールアップは単に原材料をラボスケールに対して比例増加させるだけでは困難であります。今回、世界に先駆けて合成された高機能微粒子は、開発代表者らが長年取り組んできた方法であり、反応温度、反応媒体(組成)、モノマー濃度注2(組成)、触媒濃度、撹拌方法、原材料の添加方法など諸々の重合条件を工夫することにより、分子内の特殊な橋かけ構造や非平衡状態下で合成される異種ポリマーの分子構造をベンチスケール注3 規模(1kg)で制御することに成功しました。このことにより、高機能性微粒子の大学シーズを社会ニーズに繋げることが可能になったと判断し起業に至りました。
 株式会社スマート粒子創造工房は、ニーズ企業に種々の有償サンプルを提供しながらライセンス先を探索するとともに、今後さらにプラントスケール(1t)に発展させる技術開発を行い、高付加価値材料の供給体制を確立しながら、平成23年度までに年1億円の売上げを目指します。
 今回の株式会社スマート粒子創造工房の設立により、プレベンチャー事業および大学発ベンチャー創出推進によって設立したベンチャー企業数は51社となりました。
■用語解説
■製品例・実施例
■企業概要

<本件お問い合わせ先>

独立行政法人科学技術振興機構
産学連携事業本部 技術展開部 新規事業創出課
〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3
中村 宏(ナカムラ ヒロシ)、米谷 雅之(ヨネヤ マサユキ)
TEL: 03-5214-0016  FAX: 03-5214-0017

株式会社 スマート粒子創造工房
代表取締役社長 大久保 勝芳(オオクボ カツヨシ)
兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1
TEL: 080-1505-0216 FAX:078-858-2204
e-mail :
URL: http://www.eonet.ne.jp/~ssw/