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図3

図3 データ例

図3 データ例

 近接した(間隔0.1mm以内)2つの脳細胞が同時反応していることを示す相関ヒストグラムの例。縦軸は0.001秒あたりの同時反応の回数を表しており、横軸は同時反応した時の時間のずれ(0.001秒単位)を表しています。横軸中央の0(ゼロ)付近でピークが見られる時、2つの細胞は高精度に同時反応していることになりますが、ピークが見られない時は、時間的にずれてばらばらに反応していることになります。1時間にわたる記録結果です。左側3つのヒストグラムは、サルが記憶課題Aを行っている時で、右側3つは記憶課題Bを行っている時です。両方とも上から順番に、1回目の刺激が提示されている時、その刺激を記憶し保持している時、2回目の刺激が提示されている時、それぞれについて解析しています。左側の全てのヒストグラムでは、中央0点を中心に、ほぼ0.004秒(-0.002~+0.002秒)の範囲で鋭いピークが見られており、この短い時間内でこの2つの細胞がほぼ同時に反応していることがわかります。 また、このようなピークが右側のヒストグラムでは見られないことから、この2つの細胞は常に同時に反応するわけではなく、記憶課題の種類に応じて同時反応を示したり示さなかったりすることもわかります。