JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第337号 >用語解説

【用語解説】

(注1)電磁波の伝播定数:
媒質中の電磁波の吸収に関係する定数で、誘電率ε、透磁率μ、電導度σの3つの物性が影響します。

(注2)誘電率 ε:
電束密度Dと電場Eとの関係 D=εE を与える定数εのこと(単位:F/m)。 単位電界のもとで誘電体の単位体積中に蓄えられるエネルギーの大きさを表します。

(注3)透磁率  μ:
磁束密度Bと磁場Hとの関係 B=μH を与える定数μのこと (単位:H/m)。鉄などの磁化しやすい物質では大きな値を示します。

(注4)導電率  σ:
電気伝導率とも呼ぶ。比抵抗ρの逆数。電流の流れやすさを示す物質の電気特性のこと(単位:S/m)。

(注5)地中レーダ:
高周波の電磁波を地中に放射し、地中の探査対象物から跳ね返ってくる反射波の戻ってくるまでの時間を測定することによって地中を探査します。誘電率の情報が得られます。

(注6)電磁誘導測定装置:
大地に電流を流し、急激に遮断した後の2次電磁場の過渡応答が、地下の比抵抗構造に応じて異なることを利用した電磁探査手法です。各測定点で得られた磁場応答時系列データを解析し、地下の比抵抗深度分布を得ます。

(注7)磁力計:
本開発ではフラックスゲート磁力計を採用。磁場のX、Y、Zの3成分を測るために、3つのリングコアを直交させて、その地点での磁気ベクトルを計測し、それらを使って見掛けの磁化率を求めることができます。

(注8)タイムシェアリング測定:
地中レーダと電磁誘導測定装置の同時計測のための技術。電磁誘導測定装置の送信電流遮断の10μs前から100μs間にわたって地中レーダの発信を停止し、センサ相互の干渉を回避しました。

(注9)GPS:
全地球測位システム。本システムでは、GPSの電波に含まれる時間情報により、地中レーダ、電磁誘導測定装置、磁力計の3センサの時間を同期させています。