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用語解説

注1 量子細線
量子細線とは、数十ナノメートル程度の幅の半導体に電子を閉じこめることで、電子を一方向にしか動けないようにした構造である。電子の動ける方向を制限することにより、電子間の相互作用が非常に強くなり、様々な物理的性質の劇的な変化が、しばしば見られる。

注2 クーロン相互作用
電子は負の電荷をもっている粒子であり、電子同士の間には反発力が働いている。通常の金属や半導体の電気的性質は、この電子間の反発による影響をほとんど受けていない。しかしながら、低温や、高い電子密度といった条件下では、電子同士の相互作用の影響が強くなり、様々な特異な物理的性質が現れてくる。なお、量子細線などを用いて、電子の動ける方向を制限すると、クーロン相互作用が非常に強くなる。