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科学技術振興機構報 第267号

平成18年3月14日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

ポリフェノールによる生体組織保存技術を提供するベンチャー企業設立

(JSTプレベンチャー制度の研究開発成果を事業展開)

 JST(理事長 沖村憲樹)は、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスに結びつけていくために、起業化に向けた研究開発を行うプレベンチャー事業を実施してきました。
 平成15年度より開始した研究開発課題「生体組織常温長期保存液の創製」の研究開発チーム(リーダー:玄(げん) 丞烋(しょうきゅう) 京都大学再生医科学研究所 助教授、サブリーダー:松村和明)は、研究開発成果を実用化するためのベンチャー企業、株式会社バイオベルデ(代表取締役社長:松村和明、本社:京都市上京区河原町通今出川下る梶井町448番5、資本金1,000万円)を平成18年3月1日に設立しました。
 事故や疾病などにより臓器不全になった患者を救命するための臓器・組織移植は、外科技術の向上および新規免疫抑制剤の登場により、利用数や成功率が飛躍的に向上し、今では移植医療として確立しています。生体組織移植では、各生体組織ごとに冷凍および冷蔵保存が行われますが、凍結・解凍により組織に障害が残り、移植後に問題が発生する場合もあります。また、移植するための臓器は患者に届くまで、保存液に浸漬して輸送されますが、一般に利用されている保存液が保存機能を維持できるのは、低温4℃で4〜24時間程度の短時間であるため、輸送範囲や時間に制限があります。
 本研究開発チームは、高純度の緑茶ポリフェノールが添加された保存液が臓器・組織を長期間保存できることを見いだし、さらに種々の組織を効率よく保存できる最適なポリフェノール成分や濃度などを探り、高い抗酸化活性および細胞増殖抑制機能をもつ「緑茶カテキン(EGCg:epigallocatechin-3-gallate )」が添加された保存液の実用化に成功しました。この保存液は、培養した皮膚や軟骨や角膜をそれぞれの手術患者へ届けるまでの保管や移送時に利用することもでき、今後大幅な需要が期待できます。
 研究開発成果を基に、株式会社バイオベルデは、高い抗酸化活性および細胞増殖抑制機能をもつポリフェノールの一種である緑茶カテキン(EGCg)を用いて、種々の細胞・組織の長期保存を可能とする新規保存液を開発・製品化して平成20年度には1億円の売り上げを目指します。
 今回の株式会社バイオベルデの設立により当事業によって設立したベンチャー企業は39社になりました。
■ 製品例・実施例
■ 企業概要
■ 事業形態

<本件お問い合わせ先>

独立行政法人 科学技術振興機構
産学連携事業部 技術展開部 新規事業創出課
〒102-8666 東京都千代田区四番町5−3
米谷雅之、粂田真宏
TEL: 03-5214-0016 FAX:03-5214-0017

株式会社バイオベルデ
代表取締役社長 松村和明
〒602-0841 京都市上京区河原町通今出川下る梶井町448番5
TEL: 075-751-4109 FAX:075-751-4109