JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第247号 > 参考1 人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業とは
参考1

人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業とは

 JST「人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業」(研究総括:古田勝久 東京電機大学 教授)では、世界の数多くの国に埋設された地雷がその国の復興・開発上の大きな障害となっていることに鑑み、かつ我が国の貢献が国際的に強く期待されている状況から、日本の先端的な科学技術を駆使して人道的観点からの対人地雷の探知・除去活動を支援するための研究開発を進め、地雷被埋設国等における実証試験に技術を提供することを目指しています。

 本事業は、文部科学省『対人地雷の探知・除去技術に関する研究会』の報告書 「対人地雷の探知・除去技術に関する研究開発の進め方について」、及びこれを受けて文部科学省より示された目標に沿って取り組むものです。大学、独立行政法人研究機関、民間企業等からの研究提案を受け、平成14年10月より研究開発を開始しました。

 ここでは、センシング技術、アクセス・制御技術についての研究開発を対象としています。具体的には、平成17年度を目途とした研究開発(短期的研究開発課題)として、地雷と土壌の物性値の相対的な違いに着目し、対人地雷を安全、かつ効率的に探知可能なセンシング技術や、地雷原に安全かつ効率的にセンサ、マニピュレータ等を持ち込むための遠隔操作可能なアクセス機材や、それに装着するマニピュレータおよびその制御技術が含まれます。また、平成19年度を目途とした研究開発(中期的研究開発課題)として、地雷に含まれる爆薬自体の性質にも着目し、対人地雷をより一層安全かつ効率的に探知可能な技術が含まれます。


図2
図2.JST 人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業 研究開発スキームセンシング技術とアクセス・制御技術(地雷原に安全かつ効率的にセンサを持ち込み位置決めするための技術)を融合させて、試作機を製作します。