機構報第242号
開発を終了した課題の評価
課題名 | 「超音波二波計測による骨強度計測システム」 | ||||||
所有者 | 大谷 隆彦、株式会社堀場製作所 | ||||||
研究者 | 同志社大学 名誉教授 大谷 隆彦 | ||||||
委託企業 | 応用電機株式会社 | ||||||
開発費 | 310,000,000円 | ||||||
開発期間 | 平成13年3月~平成17年10月 | ||||||
評価 |
本新技術の開発結果は下記のとおりであり、成功と判断するのが適当である。 記
本新技術は、超音波二波計測という独創的な手法を用いて、下腕撓骨部の骨密度を計測するシステムに関するものである。本新技術は、超音波プローブを身体特徴に合わせ適切に設置すれば、骨部を通過する超音波が、小振幅の高速波(海綿骨の特徴に関係)と大振幅の低速波(骨髄の特徴に関係)に明瞭に分離できることの発見から、高速波を解析して、骨密度を精密に計測できるシステムを提供するものである。 本システムは、下腕部を一対の送受信プローブで挟み、機械的に同期させて走査し、2次元断面マッピングを行い、その結果から適切な計測位置を自動選択し、精密な骨密度計測が行える。 本システムは、骨粗しょう症の精密診断に使用されるX線計測装置(DXA,pQCT等)のような放射線被曝の心配がない。また、従来の超音波骨密度計測装置は、音速や透過波減衰の計測値と骨密度との相関理由が不明な上、骨と骨髄を平均化した計測のため、骨粗しょう症に関係する海綿骨のみを計測できない欠点があったが、本システムは海綿骨の密度・強度の実単位での計測を初めて可能にした。 臨床試験で取得された骨密度計測値は、既存のpQCTによる骨密度計測値と高い相関があり、十分な有用性が確認された。また、薬事法に基づく医療機器の技術要求事項と安全性要求を満足することが確認された。 以上により、骨粗しょう症の早期検診に使用できる信頼性の高い骨密度計測装置を提供することが期待される。 | ||||||
評価者 |
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評価日 | 平成17年11月30日 |