別紙2

バイオインフォマティクス推進事業 平成16年度継続研究開発課題

代表研究者および研究開発課題 一覧

情報科学と生物科学との融合型アプローチによる研究開発
1)
研究開発課題: ショウジョウバエ脳神経回路の徹底解析にもとづく感覚情報処理モデルの構築
代表研究者 : 伊藤 啓 東京大学分子細胞生物学研究所 助教授
概    要 : これまでの研究開発では、ショウジョウバエの脳を用いて視覚、聴覚、味覚情報処理機構の比較的下位のレベルの神経回路構造を、体系的に明らかにした。また神経細胞の位置を自動認識して定量座標データ化するソフトウェア手法を開発した。これを発展させて本課題では、感覚情報処理系と高次統合処理回路の間を結ぶ高次情報回路の構造の解析と、細胞の位置だけでなく回路の投射構造を自動解析するソフトウェア手法の開発をめざす。
 
2)
研究開発課題: 絶対定量オーミックスからの知識発見
代表研究者 : 伊藤 隆司 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
概    要 : これまでの研究開発により、出芽酵母の遺伝子発現絶対定量システムが構築された。そこで本課題では、このシステムを駆使してトランスクリプトームと転写因子-プロモータ相互作用の絶対定量計測を行う。得られた絶対値データから算出される比率と差分の双方を統合的に利用する複眼的解析法を考案するとともに、定量性を重みとして活用することで遺伝子クラスタの解釈や相互作用モチーフの発見などを高精度に行う方法論の確立を目指す。
 
3)
研究開発課題: 遺伝子破壊株イメージ・マイニング
代表研究者 : 森下 真一 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
概    要 : これまでの研究開発では、出芽酵母の約3000の非必須遺伝子破壊株について細胞の顕微鏡画像(イメージ)を収集し、形態パラメータを正答率98%以上で定量化するイメージ処理技術の研究開発に成功した。また計算科学的な手法で出芽酵母の先端成長に関与する遺伝子を推定して、生物学的実験により検証することにも成功した。本課題ではこれを発展させて、必須遺伝子破壊株の形態パラメータの定量化に取り組み、解析を行うことで出芽酵母の全遺伝子破壊株について、形態パラメータ測定による遺伝子機能の発見(マイニング)をめざすとともに、他のモデル生物の細胞解析への応用を検討する。
 
情報生物科学に関する創造的な研究開発
1)
研究開発課題: ヒトゲノムにおける広義の遺伝子発見研究
代表研究者 : 矢田 哲士 京都大学大学院情報学研究科 助教授
概    要 : これまでの研究開発では、ヒトタンパク質遺伝子の網羅的で信頼性の高い発見を行なってきた。また一早くプロセス型偽遺伝子の体系的な発見にも着手してきた。これらの研究開発では、独自に開発した信頼性の高いプログラムを積極的に活用することで、他に類をみない高精度の情報を提供してきた。本課題では、これまでの成果を更に深化させるとともに、RNA遺伝子やDNA重複型偽遺伝子の発見といった広義の遺伝子発見研究の基盤を構築する。
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This page updated on January 29, 2004

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