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図2 BioLBL法によって形成された半導体ナノ粒子の多層膜の断面像


図2 BioLBL法によって形成された半導体ナノ粒子の多層膜の断面像

図1に示した順番で、酸化鉄・セレン化カドミウム・酸化コバルトをそれぞれ内包したTBP-1提示フェリチンをBioLBL法によって積層した後、断面試料を作製し、透過型電子顕微鏡を用いて観察をおこないました。図の写真で見られる黒いドットは、フェリチンに内包されているナノ粒子です。この断面試料の元素マッピングをおこない、鉄・セレン・コバルト原子の分布図を横に並べると、鉄原子を含む層の上にセレン原子を含む層が現れて、さらにセレン原子を含む層の上にコバルト原子を含む層が現れているのが判ると思います。この順番は積層した順と同じです。積層順を変えた場合、やはり同様に積層順と同じ順番でそれぞれの原子を含む層が現れます。また、これらの写真から10ナノメートル程の間隔で酸化鉄ナノ粒子層・セレン化コバルトナノ粒子層・酸化コバルトナノ粒子層が配置されていることが分かります。