JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第224号 > 用語解説

【用語解説】

*1 導電性高分子
ノーベル化学賞受賞者である白川英樹 筑波大学名誉教授らが開発した、"電気を通すプラスチック"。極微細な1本の分子電線の束から成る材料。電子が"分子電線"の中を高速に走るため電気を通し易い。しかし著しい不溶性(溶媒に溶けない)、ならびに会合性(束同士が集まって大きな固体を作る)を有するため取り扱いが非常に困難である。

*2 ナノメートル
長さの単位で1ナノメートルは100万分の1ミリメートルに相当する。

*3 多段階電気化学エピタキシャル重合
分子電線原料(チオフェン)を溶かした電解質液中で、金属電極に電圧を加えることにより、金属原子配列に沿って分子電線が特定の方向に成長する(エピタキシャル)重合(原料同士が結合する)反応。

*4 チオフェン
電界効果トランジスタや発光ディスプレイへの応用が期待される導電性高分子:ポリチオフェンの原材料。チオフェンが数百個つながる(結合する)ことによって電気を通す1本の分子電線:ポリチオフェンを形成する。