【用語解説】

1. ユビキチン

 76アミノ酸からなる分子量8,500の小さい蛋白質で真核細胞に普遍的に見出されるのでこの名が付けられた。ユビキチン活性化酵素(E1)、ユビキチン結合酵素(E2)、ユビキチンリガーゼ (E3)の3種の酵素群の働きで、他の蛋白質を修飾することにより、それら蛋白質の機能を制御することで細胞周期、DNA修復、シグナル伝達などの様々な生命活動に関わる。多くの場合は他の蛋白質を修飾したユビキチンにユビキチンが付加され、ポリユビキチン鎖が形成され、そのポリユビキチン鎖はプロテアソームの認識シグナルとして機能し、ユビキチンが付加された蛋白質が分解される。ユビキチン依存性蛋白質分解系の発見者であるアブラム・ハーシュコ、アーロン・チカノバー、アーウィン・ローズの3博士に対し、2004年のノーベル化学賞が授与された。

2.分子シャペロン

 シャペロンは欧米の貴婦人の介添え役の意味する言葉から転用された用語で、それ自身は独自の機能を持たず他のタンパク質の構造形成(フォールディング)や分子集合を支援するたんぱく質の総称。哺乳動物の細胞内には数十種の分子シャペロンが存在する。