科学技術振興機構報 第213号

平成17年9月22日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

CAD/CAE/CGソフトウェアの開発およびこれらを利用した
エンジニアリング業務を行うベンチャー企業設立

―JSTプレベンチャー制度の研究開発成果を事業展開―

 JST(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行うプレベンチャー事業を実施してきました。
 この度、平成14年度より開始した研究開発課題「次世代型統合CAE*1システム」の研究開発チーム(リーダー:萩原一郎 東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻 教授、サブリーダー:篠田淳一)のメンバーが出資して、ベンチャー企業 株式会社インターローカス(代表取締役社長:篠田淳一、本社:東京都大田区、資本金:1,000万円)を平成17年9月9日に設立しました。
 車の衝突実験などの性能実験は、実機を使用するため多大なコストがかかってしまうことから、近年では、実機を計測し、形状をコンピュータ上に再現するリバースエンジニアリング技術が注目されています。製造業では、この技術を利用してコンピュータ上で性能実験をシミュレーションしたり、試作品とCAD*2データの誤差評価などを行っています。また、地形測量の分野では大陸棚や山岳地形などの再構成、医療の分野ではCT*3MRI*4による断面画像からの臓器の再構成など、実に様々に応用されています。しかし既存の手法(ソフトウェア)で得られたものは、数値解析に直ちに利用できず不便でした。
 本チームは、メッシュに関わる様々なソフトウェアを開発し、これに曲面生成技術を組み合わせることにより、計測データを数値解析に直結する高精度な解析を可能としました。
 また、同社では、独自のCG*5(画像処理技術)をCAD/CAEに持ち込んでいることを特徴としており、画像処理技術においても、古い写真の修復、人物画像の修正や、文字や不要なオブジェクトを画像から消去するといった他社製品に無い画像処理ソフトも開発しています。

 同社は、今後これらソフトウェアに加えて、独自の六面体メッシュを含んだメッシュ生成システムやCAD/CAE関連の処理が一括して扱える統合ソフトウェアの研究開発を行うと共に、音響振動を中心とするエンジニアリング業務にも豊富な経験があることから関連するコンサルティング業務も並行して行い、平成22年度には年間10億円の売上を目指します。
 今回の株式会社インターローカス設立により、当事業によって設立したベンチャー企業数は33社となりました。
■ 企業概要
■ 事業形態
■ 開発した技術の概要

用語解説

*1:CAE(Computer Aided Engineering)
  :CADで作成された設計データからコンピュータ・シミュレーションによって製品の強度や性能を評価・分析すること。
*2:CAD(Computer Aided Design)
  :工業製品などの設計をコンピュータを用いて行うこと。またはそのような設計をコンピュータによって行うシステム。
*3:CT(Computed Tomography)
  :X線をあてた物体を、コンピュータを用いて輪切り状に3次元的に映像化する装置。
*4:MRI(Magnetic Resonance Imaging)
  :磁気共鳴を利用した、コンピュータによる人体の断層画像の映像化装置。
*5:CG(Computer Graphics)
  :コンピュータを使って作成された図形や画像。またはそれらを生成・処理する技術。

<本件お問い合わせ先>

独立行政法人 科学技術振興機構
産学連携事業本部 技術展開部 新規事業創出課
米谷・粂田(電話03−5214−0016)