資料4

新規採択研究代表者・研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CREST)

戦略目標「情報通信技術に革新をもたらす量子情報処理の実現に向けた技術基盤の構築」
9 研究領域:「量子情報処理システムの実現を目指した新技術の創出」
研究総括:山本 喜久(スタンフォード大学応用物理・電気工学科 教授/情報・システム研究機構国立情報学研究所 教授)

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
井上 恭 大阪大学 大学院工学研究科 教授 通信波長帯量子もつれ光子とその応用システム 量子力学特有の光の状態である量子もつれ光子対は、光の量子的性質を利用する量子情報通信システム(例えば、量子暗号の長距離化を可能とする量子リレー・量子中継、量子コンピュータ間をつなぐ量子ネットワークなど)を構築するための基本要素とされています。本研究は、ファイバ伝送にとって重要である1.5μm波長帯における量子もつれ光子技術の確立を目的として、もつれ生成技術及びそのシステム応用について研究します。
香取 秀俊 東京大学 大学院工学系研究科 助教授 極低温原子を用いる量子計測法の開拓 極低温原子を用いた新たな量子計測・量子情報処理のツール「光格子時計」、「シュタルク原子チップ」の手法を確立し、その工学的・理学的応用を目指します。特に、「光格子時計」の研究では、Sr、Yb、Hgの3種類の原子で、10-16を上回る相対精度でスペクトルの相互比較を行い、次世代の時間標準としてのフィジビリティーを評価するとともに、微細構造定数の恒常性/揺らぎを相対精度10-16/年のレベルで検証します。
北川 勝浩 大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授 分子スピン量子コンピュータ 分子の核スピンや電子スピンを用いた量子コンピュータの実現をめざして、分子の設計・合成、量子演算実験を行います。核スピンでは、資源の指数爆発を防いで真の量子計算を実現するために、低エントロピー化とデータ圧縮による初期化を行います。電子スピンでは、まず、2-qubit演算を実現し、多qubit化をめざします。また、量子情報圧縮と量子/古典インターフェースの研究も行います。
宮下 精二 東京大学 大学院理学系研究科 教授 量子多体協力現象の解明と制御 多自由度からなる系でのコヒーレントな量子現象の特徴を理論的に研究し、それらの状態の能動的制御法の確立をめざします。特に、量子相関が強い状態の外場への応答の特徴を研究し、任意の量子プロセスを発生する量子シミュレータや、量子揺動を用いた情報処理の実現への理論的基礎付けを行い、実証手段としての量子スピン系、光格子に閉じ込めた極低温粒子系、二次元電子系などにおける量子状態の外場による制御などを探求します。