資料4

新規採択研究代表者・研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CREST)

戦略目標「新たな手法の開発等を通じた先端的な計測・分析機器の実現に向けた基盤技術の創出」
7 研究領域:「生命現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」
研究総括:柳田 敏雄(大阪大学大学院生命機能研究科 教授)

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
青山 茂 オムロン株式会社 技術本部先端デバイス研究所 グループ長 ハイブリッド局在SPRを用いた生体分子の環境応答性計測 本研究では、ナノハイブリッド構造体によるエバネセント場と局在場の2層電場化により、生体分子間相互作用と環境変化を独立かつ同時に検出する、新しいハイブリッド局在SPRセンシング技術を開発します。これにより、環境変化に対する分子間相互作用の動的観察が可能になり、さらに最先端のナノインプリント技術を駆使して、ナノハイブリッド構造体をローコストで作製する複製技術も開発します。
長野 哲雄 東京大学 大学院薬学系研究科 教授 生体分子の動的可視化プローブの開発と応用 本研究は蛍光発光の原理に基づいて、論理的に生理活性種、酵素および受容体などの生体分子を特異的に高感度で可視化する機能性蛍光プローブを開発することを目的とします。生細胞、生体組織あるいはin vivo系で生体分子の活性や濃度を時空間的にダイナミックに捉えることができれば、未解明の生命現象を解析する上で強力な基盤技術となります。蛍光の発光原理の解明から蛍光プローブの開発、応用および実用化までを目指しており、計測・分析に全く新しい世界を切り拓きます。
中村 義一 東京大学 医科学研究所 教授 多目的RNAナノセンサー・モジュレーターの開発 RNA研究は近年飛躍的に進展し、RNAの新機能や機能性マテリアルとして豊かな未来が期待されています。本研究では、RNAの人工進化技術を利用して、各種の標的分子に対する高親和性RNAを創成し、それらを用いた新しい計測技術(RNAセンサー)、細胞内外の生理活性因子の調節ディバイス(RNAモジュレーター)、RNA可視化システム、新機能性RNA創成のための新技術の開発を行います。これらの研究によって、RNAを利用する計測・分析基盤技術を確立します。
森 勇介 大阪大学 大学院工学研究科 助教授 タンパク質完全結晶創成 ポストゲノム時代で重要となるタンパク質構造解析においてはタンパク質の高品質結晶化技術が不可欠です。本研究では、フェムト秒レーザーを用いた結晶核発生、及び溶液攪拌による大型高品質化という、新しい原理の結晶化技術を高度化し、タンパク質完全結晶創成システムの実現を目指します。これにより、従来困難であったタンパク質の活性中心にある水分子や水素の位置の同定がX線構造解析や中性子線回折法で可能になります。
吉岡 芳親 岩手医科大学 先端医療研究センター 講師 次世代無侵襲・定量的脳機能イメージング法の開発 本研究では、磁気共鳴法(MRS,fMRI)、近赤外分光法、脳磁波計測法や各種生理機能計測法の駆使と新規解析法の導入により、高精度の新規脳活動計測法や脳内深部温度計測法の開発を目指します。この技術開発によって、従来のfMRI等の脳活動計測法では困難であった脳活動の絶対評価や安静時の脳活動レベルの評価が可能となり、脳機能の解明や病態解析にブレークスルーをもたらすことが期待できます。