資料4

新規採択研究代表者・研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CREST)

戦略目標「光の究極的及び局所的制御とその応用」
5 研究領域:「新機能創成に向けた光・光量子科学技術」」
研究総括:伊澤 達夫(NTTエレクトロニクス株式会社 取締役相談役)

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
岸野 克巳 上智大学 理工学部 教授 ナノコラム結晶による窒化物半導体レーザの新展開 緑色半導体レーザが未開拓なため三原色レーザの全半導体化の目処は立っていません。本研究では、本チームが創成した窒化物ナノコラムで発現されるナノ結晶効果で緑色半導体レーザへの道を拓きます。青色域に利用されたInGaN/GaN 系は長波長化とともにレーザ特性が劣化し、緑色域に到達しません。ナノコラム結晶で期待される無転位性、結晶歪とIn組成揺らぎの軽減効果を基礎にして、緑色域ナノレーザの実現を目指します。
末宗 幾夫 北海道大学 電子科学研究所 教授 超伝導フォトニクスの創成とその応用 本研究では、ボゾン粒子としての電子クーパー対の巨大コヒーレント体積による振動子強度の増強と、半導体量子ドットの価電子帯離散準位におけるフェルミ粒子としての正孔に対するパウリの排他律を用い、 On demand で一度に単一の量子もつれ合い光子対を発生するダイオード光源を実現します。これはまた超伝導とフォトニクスの境界領域をつなぎ、さまざまな量子情報処理の基幹デバイスとしての幅広い応用も期待されます。
野田 進 京都大学 大学院工学研究科 教授 フォトニック結晶を用いた究極的な光の発生技術の開発 本研究は、フォトニック結晶を用いて、不要な光のモードを一切排除し、真に必要なモードのみを用いた極微小光デバイスや、安定な縦横モードかつ各種ビームパターンをもつユニークな大面積レーザの開発などを目指します。併せて、光子-電子系の弱・強結合に関する検討をも行い、次世代量子通信・情報のための基礎を築きます。これらは、極限的に高いQ 値をもつ光ナノ共振器と電子系の結合体を複数集積した光量子演算や、様々な光エレメントを一括集積した光チップの世界へとつながっていくものと期待されます。
堀 裕和 山梨大学 大学院医学工学総合研究部 教授 ナノ光電子機能の創生と局所光シミュレーション ナノメーターサイズの空間で、一体となった光と電子の動きを制御し、情報処理や通信にイノベーションをもたらす、ナノフォトニクスデバイスの実現を目指します。局所光と電子の動きをミクロな磁石で制御する半導体素子を創るため、局所光で微細加工するナノ光リソグラフィー技術と、局所光による信号の伝送機構を設計する計算機シミュレーション法を開発します。原子分子レベルで基本動作を検証し、ナノの世界に特有の新機能を開拓します。
山下 幹雄 北海道大学 大学院工学研究科 教授 極限光電場波形制御による新光量子技術の創出 可視・近赤外域で世界最短の2.8 fs の単一でクリーンなモノサイクル域光波の電場波形を制御・最適化する手法を活かし、以下の未踏域の研究を行います。(1)100 アト秒以下の高次高調波X 線パルスの発生;(2)常温量子固体からの高次ラマン光および希ガス充填内壁コートホローファイバからの誘起位相変調光を利用した、近赤外・可視・紫外域でのサブフェムト秒パルス発生;(3)量子状態制御法を光応答性DNA に応用した遺伝子発現レーザー選択制御、の3 技術を創出します。