資料4

新規採択研究代表者・研究者および研究課題概要


○個人型研究(さきがけ)

戦略目標「メディア芸術の創造の高度化を支える先進的科学技術の創出」
6 研究領域:「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」
研究総括:原島 博(東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授)

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
串山 久美子 東京農工大学 大学院工学教育部 特任助教授 感触表現の制作支援を目的とした視触覚感覚ディスプレイ技術の開発 情報社会の発展に伴って、人と人との直接的なコミュニケーションのあり方が注目されるようになってきました。本研究では、人とユビキタス情報社会を結ぶやわらかなインタフェースとして、直接人が触れ、反応する、感触表現の制作支援を目的とした視触覚感覚ディスプレイ技術の研究開発を行います。新しい技術によって、これまでにない表現やコミュニケーションの意味を問うことができると考えます。メディア芸術表現のみならず、日常の情報活動をも支援する触覚デジタルコンテンツの可能性を提案したいと思います。
後安 美紀 株式会社
国際電気通信基礎技術研究所
ネットワーク情報学研究所 研究員 「意図的なランダムな行為」の創出方法の解明 CGによるリアルな人間の動きを再現するために、本研究では、生態心理学を基盤とする運動研究の側面から、人間の動きの生成に関する基礎的なモデルを提案します。具体的には、演劇において「リアルに見えるとは何か」ということと「リアルに見せる技術」を同時に追求してきた平田オリザの稽古場にフィールドワークのため出かけ、俳優の「意図的なランダムな行為」の創出方法を明らかにし、そのモデル化を進めます。
橋本 典久 筑波大学 人間総合等研究
教育支援室
技術職員 全天周と極小領域映像を扱うための入出力機器の研究開発 球の中心をレンズの主点とし、球体外面に空間を投影させる事により、小型で歪みのない完全な全天周画像を得るPanorama Ballにリアルタイムな入出力をするための研究開発および、昆虫などの極小領域から超高解像度かつ被写界深度の深い画像データを得るための装置の開発を行います。この超広角と超狭角の画像研究は、自然界を深く理解するのに役立ち、新たなコンテンツ産業の創出に貢献できます。
武藤 努 財団法人
国際メディア研究財団
- 研究員 人間の知覚に基づいた色彩の動的制御システムの構築 近年のコンピュータなどの急速な発達に伴い、それを用い芸術表現を試みるクリエーターはコンピュータなどを扱う技術的知識を要求されることが多々あります。そのため多くのクリエーターにとっては人間の感性に基づいた芸術的経験と、技術的経験の双方が必要となり、総合的な芸術創造を行うのが困難な状況になっています。本研究ではメディア芸術での重要な要素の色彩をインタラクティブに制御し、それを用いた表現手法を構築します。これにより多くのメディア芸術の創造を支援しその高度化の下支えとなることを目指します。
渡邊 淳司 東京大学 大学院情報理工学系
研究科
日本学術振興会
特別研究員
触・力覚の知覚特性を利用した新たな芸術表現の基盤研究 芸術表現を鑑賞者の感覚知覚特性まで含めて考えることは、作品の表現能力を拡大する上で重要な視点であり、特に、鑑賞者に大きな驚きを与える錯覚は重要な表現ツールだと考えられます。本研究では、特に触・力覚に着目し、触・力覚メカニズムの解明及び、それを芸術表現に利用するための基礎知識(触・力覚における錯覚のメカニズム、触・力覚と感性の関係)を提供し、メディア芸術の表現領域拡大に貢献します。