資料4

新規採択研究代表者・研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CREST)

戦略目標「教育における課題を踏まえた、人の生涯に亘る学習メカニズムの脳科学等による解明」
10 研究領域:「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」
研究総括:津本 忠治(独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター ユニットリーダー)

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
北澤 茂 順天堂大学 医学部 教授 応用行動分析による発達促進のメカニズムの解明 自閉症に対して、応用行動分析を用いて早期集中介入を行うと、通常の社会生活ができる迄に「回復」する症例が報告され、注目を集めています。本研究では、応用行動分析による自閉症治療法を脳科学的に検証し、同じ手法をサルに適用し、生理学的研究により、応用行動分析による発達促進の脳内メカニズム解明を目指します。その成果は、自閉症の効果的な治療法、更にはより一般的な発達障害予防法の開発に繋がることが期待されます。
小林 和人 福島県立医科大学 医学部附属 生体情報伝達研究所 教授 ドーパミンによる行動の発達と発現の制御機構 ドーパミン神経系は、学習や行動の発達に極めて重要な役割を果たしていますが、その脳内機構については十分に明らかではありません。本研究では、げっ歯類からサル、ヒトまでを含めた総合的研究をすすめ、ドーパミンによる脳機能の発達と行動制御の仕組みの解明を目指します。本研究は、深刻な社会問題となっている注意欠陥多動性障害など、ドーパミン神経系の異常に関係するとされる発達障害の解明に貢献することが期待されます。
藤田 一郎 大阪大学 大学院 生命機能研究科 教授 大脳皮質視覚連合野の機能構築とその生後発達 ヒトを含む霊長類の大脳皮質連合野は、種々の高次脳機能において重要な役割を果たしていますが、その生後発達過程はほとんど解明されていません。本研究では、霊長類の視覚連合野において、高次情報処理機能がどのような神経回路によって担われているのか、またこれらの神経回路機能が、生後どのように発達するのかの解明を目指します。その成果は、高次脳機能の発達や学習に伴う変化のメカニズム解明に貢献することが期待できます。
和田 圭司 国立精神・神経センター 神経研究所 部長 脳発達を支える母子間バイオコミュニケーション 本研究では、母胎由来の生理活性物質を介した母子間のコミュニケーションが胎児・乳児の脳に作用してその健やかな発達を促し、生後の適正な行動の獲得などに寄与するという新しい視点に立って、母子間の物質的コミュニケーションの存在を動物・ヒトで実証し、さらに母体側因子の変動が子供の脳発達に与える影響を解明することを目指します。これらの成果は、脳発達障害の病因の解明やその予防法の開発に繋がることが期待されます。