機構報第190号
開発を終了した課題の評価
課題名 | 「透過電子位相顕微鏡」 | ||||||
研究者 | 永山國昭 | ||||||
所有者 | 岡崎統合バイオサイエンスセンター 兼 生理学研究所 教授 永山國昭、日本電子株式会社 | ||||||
委託企業 | 日本電子株式会社 | ||||||
開発費 | 148,434,573円 | ||||||
開発期間 | 平成15年3月~平成17年3月 | ||||||
評価 |
本新技術は生物や高分子材料などの軽元素試料の観察に用いられる透過型電子顕微鏡に関する技術である。従来の透過電子顕微鏡に帯電のない位相板を組み込み、回折電子線の位相をずらすことにより、位相差像を得ることができる。 本開発では、アモルファスカーボンの位相板ユニットの製作、新しいレンズ系の設計、制御方法の検討などを行い、従来TEM像と位相差像の両方の観察機能を有する透過電子位相顕微鏡を完成させた。性能評価において、カーボングラファイト格子の位相差像観察により高分解能が達成されていること、アモルファスカーボン位相差像観察によるコントラスト伝達関数が余弦型関数であること、位相板が長期安定して使用できることを確認した。 本新技術により、従来のTEMの分解能を損なわずに正焦点条件での細胞や高分子等の高コントラスト観察や、染色による前処理が不要なため非破壊・迅速観察が可能となり、蛋白質や高分子の構造解析等、新しい透過電子顕微鏡分析としての活用が期待される。 | ||||||
評価者 |
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評価日 | 平成17年6月28日 |