機構報第175号

開発を終了した課題の評価

課 題 名 「高速酸化法による光学薄膜の低温形成技術」
研 究 者 金沢大学 名誉教授 畑 朋延
所 有 者 畑 朋延
CBCイングス株式会社
芝浦メカトロニクス株式会社
委託企業 CBCイングス株式会社
開 発 費 231,985,804円
開発期間 平成14年2月~平成16年12月
評 価  本新技術は、携帯機器のディスプレイに用いられる反射防止用の光学薄膜を、熱に弱い樹脂基板にスパッタリング法で成膜できる技術である。
 本開発では、マグネトロン・スパッタ法で金属の極薄膜を堆積した後、引き続き酸素イオンを打ち込むことにより、低温で酸化物薄膜を高速堆積する技術(MOI:Metal deposition and Oxygen-ion Implantation)を基に、各種光学薄膜形成用の大型装置を開発した。
 本装置では、金属の極薄膜を堆積する金属エリア(スパッタ源)と極金属薄膜に酸素イオンを打ち込む酸化エリア(逆スパッタ源)とに分かれており、それぞれ独立して制御できるようにした。これにより、NbとSiの緻密な金属酸化物薄膜による4層の反射防止膜が高い成膜レートで形成できた。
 本新技術により、低温・高速レートで耐環境性に優れた反射防止膜が形成できるため、携帯機器用ディスプレイの反射防止膜および各種光学フィルターや光通信用ファイバー端面への光学薄膜としての利用が期待される。
評 価 者
科学技術振興審議会 技術移転部会 委託開発事業評価委員会
委員長   高橋 清
委 員   井浦 幸雄、石谷 炯、井街 宏、木村 茂行、桐野 豊、小林 健、中川威雄、西川 壽子、西澤 民夫、増田 善昭、八嶋 建明、吉村 進
評 価 日 平成17年3月18日