科学技術振興機構報 第170号

平成17年 4月26日

東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

使い捨てチップ型セルソーターシステムの製造・販売を行うベンチャー企業設立

― JSTプレベンチャー制度の研究開発成果を事業展開 ―


 JST(理事長:沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスに結びつけていくための起業化に向けた研究開発を行うプレベンチャー事業を実施してきました。
 この度、平成15年度より開始した研究開発課題「オンチップ・セルソーターシステム」の研究開発チーム(リーダー:安田賢二 東京大学大学院 総合文化研究科 助教授、サブリーダー:小林雅之)の研究開発成果を実用化するためのベンチャー企業 株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ(代表取締役社長:小林雅之、本社:東京都千代田区、資本金:100万円)を平成17年4月1日に設立しました。
 生命科学分野では、遺伝子の発現と機能解析を中心とした研究から、個体を形成する細胞自体の機能を研究するセローム研究へと今まさに発展しようとしています。セローム研究の進展は細胞機能の研究のみならず、機能を有する細胞を利用する臨床検査や創薬検査、そして再生医療などの治療をより身近なものにします。このセローム研究では、目的の細胞を1個ずつ分離することが必要ですが、従来の細胞分離用のセルソーター装置は、大型で高価な上に手順が煩雑であり、さらに細胞の損傷も大きくセローム研究に最適なものとは言えませんでした。
 本研究開発チームは、最新のナノ加工技術を利用したマイクロ細胞分離チップを採用することで、従来10m以上の床面積を必要としたセルソーターを、電子レンジ程度の大きさに小型化することに成功しました。また、細胞分離をマイクロチップ化したことで、サンプル量が微量となり、取り扱い容易な使い捨て型とすることに世界で初めて成功しました。このため本システムは、基礎研究・創薬用途のみならず、他検体からの細胞混入排除が必須となる再生医療分野に威力を発揮するものと期待できます。
 今後、本オンチップ型セルソーターシステムを製品化し、平成20年度に60億円の年間売り上げを目指します。
 今回の株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ設立により、当事業によって設立したベンチャー企業数は32社となりました。

■企業概要
■事業概要
■使い捨てチップ型セルソーターシステムの概要

<本件お問い合わせ先>

独立行政法人 科学技術振興機構
産学連携事業本部 技術展開部 新規事業創出課
米谷・粂田(電話03−5214−0016)